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サプリの原材料に求められる品質保証 【オムニカに聞く】規格基準3原則を一体化させてこそ

 どのような基原材料を使い、どのような工程で作られ、その結果として何が含まれているか。原材料の規格基準とはその3つが一体となっているものであり、それによって初めて、原材料の品質は保証される──植物抽出物を中心とするサプリメント原材料メーカーのオムニカ㈱(静岡県裾野市)の高尾久貴社長はそう説明する。国内外の市場で勝負している同社に、原材料の安全性や製造・品質管理における本質的課題を聞いた。以下、高尾社長の談話である。

食品の三次機能を効率的に届けるために

 「事業者の立場でサプリメントとは何かを考えるとき、それは適切な食生活を補う役割があり、食事を置き換えるものではないという前提は不変です。

 ただ、個人単位での課題は多様化し、各国の健康栄養政策にとどまらない情報利用がされるようになり、かつてよりも能動的に、精密に、そして積極的に食生活を自己管理したいという購入者の方が増えてきました。そうした期待にもっとも効率よく応えられる手段がサプリメントだと考えます。

 この考え方は、バランスのよい食生活の限界のような、大それた指摘をしているのではありません。実体として存在する食品の三次機能(生体調節機能)をことさらに無視するのではなく、企業によるヘルスクレームよりも、自らのサイエンス(科学的)リテラシーに基づいて、(サプリメント=食品三次機能の利用を)判断する消費者が世界中で増えてきた、という意味です。

 ただし、そうした期待に正しく応えられているかどうか。実際以上に機能を期待させるヘルスクレームを行う経済的な意図があったことも反省をしながら、サプリメントの表示や情報は現在の段階に至ったと考えています。

 一方で、適切な情報を得られる環境が今後さらに整備され、消費者リテラシーが十分に高まったとしても、安全性と有効性を確保する品質が担保されていなければ、結局、消費者は自らの判断でサプリメントを利用することはできません。今、ここが課題だと指摘されています。

 本気でサプリメントの品質を担保するというのであれば、原材料メーカーの視点から見ると、定性定量されたサイエンスを均一ロットとしてミリグラム単位の基準で約束できる加工食品、つまり錠剤やカプセル剤によるサプリメントが最も消費者に対して誠実だと感じます。

「濃縮しているからリスク」は誤解

 食品三次機能を軸にサプリメントを捉えたとき、原材料メーカーとしての最低限の責務は、食品には大なり小なりリスクが存在するのだからサプリメントの原材料にもリスクがある、などといった無責任な発言をしてはならないということだと思っています。

 食品が抱えるリスクを公言した上で、自分たちの原材料の安全性について説明するという姿勢は排除されなければなりません。

 サプリメント成分は濃縮しているから通常の食品よりリスクが高いという考え方がありますが、私たちの考え方はその意見と対立します。サプリメントの原材料というものは、とりわけ植物など天然物の抽出物は、加工度を高め、精緻な規格基準を設けることで、不純物も含めた不確定要素を精密に管理できます。

 高純度化は薬理作用を強めるためではなく、組成再現性や生物学的同等性を制御するために行う加工になります。その精度が高まれば高まるほど安全性や有効性の検証結果は再現性が高くなる、私たちはそう考えていますし、それが責任あるサプリメントの原材料メーカーの考え方だと思います。

3.11通知「別添1」と原材料の定義

 昨年の事案(紅麹サプリ事案)以降、私たち原材料メーカー、あるいはその輸入商社は、3.11通知の別添1(錠剤、カプセル剤等食品の原材料の安全性に関する自主点検及び製品設計に関する指針)に立ち返ることになりました。

 そこには原材料の安全性を事業者自ら点検するための指針とフローチャートが示されています。フローチャートでは、「Step4」で文献検索を行います。そこで評価される原材料と文献中の原材料は、安全性を検討するうえで必ずしも双方一致しているとは考えておりません。ですが、せめて評価される原材料側は定義を制限していくのが妥当と考えます。

 名称は同じでも、安全性、有害性が異なるものがあることを考慮したうえで文献検索などをしないと、結局、3.11通知が「平成17年通知」と呼ばれていた時代から何ら変わらないのではないでしょうか。ですから私たちは、安全性の自主点検というものは、安全性と有効性が検証されたものと同等性、同質性、均一性のあるものが供給できる状態になって初めて奏功させられるものだと考え、取り組んでいます。

品質保証、分析だけで十分か

 再現性のあるものを製造するために必要なことが3つあります。まず、基原材料の定義。次に、製造方法と製造工程の手順、つまりSOP(標準作業手順書)。そして3つめに、分析による検査とそれによって得られた規格です。この3原則がすべて揃っていないと再現性の検証はできませんし、製造する原材料の規格基準を定めた製品標準書にはその3つすべてが含まれています。製品標準書には3原則それぞれの制限や方法などが事細かに書かれています。そのため、とても分厚い書類になります。

 繰り返しとなりますが、3つすべてが揃っていなければならない。しかし、日本の食品表示法は諸外国と比べて、3番目のところに依存し過ぎていると感じます。

 もちろん、分析によって品質管理されることは非常に大切です。ですが、分析結果だけで、原材料の製品標準書の条件を免責させてしまうことはあり得ません。引用している第三者の文献でプラセボと対比されているのは関与成分とする化合物ではありません。それは、関与成分の定義も製品標準書に含めたエキス等の成分全体がプラセボと置き換えられた対比試験であって、それによって安全性や有効性が議論され、文献化され、その文献に依拠して評価を論じています。分析による関与成分だけの同等性評価によってエビデンスを外挿させているのは日本の制度だけだと思います。

 ただし、一連の分析を行わずに品質保証をすることは不可能ですから、品質管理基準においては、全項目を高度に分析できる体制は不可欠だと理解しています。そのうえで、分析技術を適切に活用するのであれば、ロットの均一性を確保し、適切な分析サンプルを採取する技術が確立しておく必要があります。それが確立していないと、系統誤差以外にもバラつきが発生して品質管理が困難になります。

 サプリメントの原材料の品質に求められることとは、約束ができるようにしておくことだと私たちは考えています。約束とは、情報のとおりであるということ。そして情報とは、科学的に検証した安全性や有効性に関する情報のことです。製品標準書もそう。そうした情報の全体が製品の規格基準になっていくのですし、そのとおりのものを提供するために、また、そのとおりに作られていることを記録するために、私たちは適切なGMP組織と分析体制のもとで製造管理、品質管理に取り組んでいます。

持続可能なサプリ市場を形成するために

 そして同時に、食品三次機能を持つ成分の研究を行える体制を整えています。研究がないところに品質はありません、また、品質のないところに研究の意味はありません。品質と研究は表裏一体で、その両方があって初めて一馬力になる。私たちはその表裏一体を必ず満たせるようにしたいと考えていますし、特に安全性については、最低限これが必要だという必要条件を満たすのではなく、十分条件を満たすことができるように活動しています。そうではなければ、通常の食品と比べてサプリメントはリスクが高いという誤解を払拭することは永遠にできません。

 そうしたなかで、適切な原材料を、OEMメーカー様の高度な加工技術によって錠剤やカプセル剤に製剤化した商品が供給されていくことで、持続性のあるサプリメント市場ができると思っています。ただ、課題はあると考えています。

 国際整合性でいえば、ほとんどの他国の場合、ヘルスクレームはあくまでもそれぞれの国の健康栄養政策を反映しながら、栄養成分を含む食品表示の一環として規格基準式に行われます。ですが、個別認定式の場合は、関与成分という考え方ではなく、エキス等として当該成分の安全性に関する認可が先で、次に当該成分のヘルスクレーム要件が審査されます。そして製品化は、当該許可原材料の承認番号を紐付けした品目許可をとってから製造をする順番になります。日本では、加工食品に対して届出をするため、責任所在の管理は優れるようにも見えますが、原材料に対する機能性表示がされながらも、どこで、誰が、どのように製造した原材料かという判断材料が乏しく、そのことで消費者に自己責任を押し付けたことが本当になかったのだろうか、という疑問もあります。

 願わくは、サプリメントの定義が法的に、あるいは公式に決定され、その中において、この特集(ウェルネスマンスリーレポート2025年12月号における特集)のタイトルのように「サプリの土台は原材料にあり」ということが公に議論され、そして原材料の品質に対するリクエストを取りまとめていただきたい。食品三次機能の発現を目的とするサプリメントの原材料というものは、認証の有無は別にして、GMPを前提とした品質マネジメントシステムの中で作られていることが基本だと、私たちは考えます」

【聞き手・文:石川太郎/取材日:2025年10月28日】

(文中の写真:オムニカの裾野工場に併設の分析ラボ。同社提供)

<COMPANY IMFORMATION>
所在地:静岡県裾野市今里492-1(本社・工場)
TEL:055-957-5030
URL:https://www.omnica.co.jp/
事業内容:機能性食品の原材料製造・製品受託製造

関連記事:どうするサプリ原材料の品質確保 法的規制か、事業者の自主的取り組みか
    :天然抽出物の品質確保のあり方(前) 【サプリ原材料巡る有識者インタビュー】
    :天然抽出物の品質確保のあり方(中) 【サプリ原材料巡る有識者インタビュー】
    :天然抽出物の品質確保のあり方(後) 【サプリ原材料巡る有識者インタビュー】
    :行政は原材料事業者に何を求める【インタビュー】3.11通知を所管する消費者庁に聞く

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