健康食品の消費支出7.5%減 他方でネット通販は8.2%増、10月の「家計調査」および「家計消費状況調査」
総務省統計局が12月5日発表した10月の家計調査によると、2人以上世帯の消費支出は30万6,872円となり、物価変動の影響を除いた実質の前年同月比が3.0%減少した(名目の前年同月比は0.3%増)。実質マイナスは6カ月ぶり。10月に相次いだ食料品の値上げで消費が抑制されたとの見方がある。サプリメントなど「健康保持用摂取品」の消費支出も減少した。
健康保持用摂取品の10月の1世帯当たり消費支出は1,068円だった。名目の前年同月比は7.5%の減少。前の月(9月)は前年同月に対して2ケタ(14.5%)の伸びを示していたが、一気にマイナスに転じた。
他方で、総務省統計局が同日発表した10月の家計消費状況調査(2人以上世帯)によると、インターネットショッピング(ネット通販)支出額(調査対象22品目合計)は1世帯あたり2万6,567円となり、名目の前年同月比は10.8%の増加と2カ月連続のプラス。そのうち健康食品の支出額は827円で、名目の前年同月比は8.2%の増加となった。健康食品のプラスは4カ月連続。支出額も増えており、2025年の最高額だった。
一方、家計調査の健康保持用摂取品の消費支出に目を向けると、10月は無職世帯の支出が強く抑制されたことがうかがわれる。同世帯の支出額は1,425円。名目の前年同月比は17.9%の減少となり、前の月の同13.1%増加から大幅なマイナスに転じた。勤労者世帯は769円で同0.8%増とほぼ横ばいだった。
家計調査に見られる実質消費支出の6カ月ぶりの減少は、健康保持用摂取品の消費に今後どのような影響を与えるのか。その上で、ネット通販における健康食品に対する支出額は、引き続きの前年同月比プラスを見せるのか。11月以降の調査結果を注視する必要がある。
【石川太郎】
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