短鎖脂肪酸に着目、「腸活」素材を新たに 龍泉堂、日本初上陸の「ブチシールド」を追加
サプリメントの原材料開発・販売等を手がける㈱龍泉堂(東京都豊島区、塩島由晃社長)が取り扱い品目の拡充を進めている。5月、新たに4製品の取り扱いを始めることを発表した。そのうち1製品は、腸内環境改善にも関わる「腸活」の観点で関心が高まっている短鎖脂肪酸の一種、酪酸を効率的に摂取できるように加工した原材料。同社は今後、国内で臨床試験を行い、機能性表示食品対応素材化をめざす。
酪酸35%以上含有、米ケミン社と国内独占販売契約
ブチシールド(ButiShield)。龍泉堂が5月、製品ラインアップに追加した酪酸カルシウム加工食品素材の製品名だ。酪酸の含有量は35%以上で規格化したもので、性状は粉末。「MicroPEALS」と名付けられた独自のマイクロカプセル加工技術を使って加工することで、酪酸特有の匂いを抑制して摂取時の負担を無くすと同時に、酪酸が機能を発揮すべき大腸まで届くようにした。
米国から輸入販売する原材料になる。同社によれば、日本での販売実績はこれまでになく、国内初上陸。製造元は、ルテインの原材料ブランド「フローラGLO」で知られる米ケミン社で、龍泉堂は、ブチシールドの国内独占販売契約を同社との間で締結。ケミン社の技術的サポートなども受けながら、国内市場の開拓を進める。
同社はブチシールドについて、機能性表示食品対応素材化できる可能性があると見ている。軽度の消化不良症状がある健康な成人20人を対象にした臨床試験で、一定の有効性が確認されているためだ。
同社によれば、海外で実施されたその臨床試験で被験者は、ブチシールドを42日間摂取。摂取開始後8日、15日、22日、29日、36日、そして43日目に消化管症状評価尺度(GSRS)を測定したとろ、43日目における被験者の平均GSRSは、最初から値が低かった下痢を除いて有意に改善。そのように有意に改善した項目の全てが、最初の測定日である8日の時点で有意な改善が認められた、という。
国内で臨床試験実施を計画
龍泉堂は今後、ブチシールドの機能性について海外で得られた科学的根拠を補強するため、日本国内で臨床試験を行う方針。同社が供給する機能性表示食品対応素材と同様に、国内で長期摂取試験を行うなどして安全性に関しても改めて検証し、機能性表示食品市場に展開できるデータを揃えることにしている。
同社は今年、原材料のラインアップを大きく拡充させる。5月に4製品の追加を発表したが、他にも検討を進めている。エラグ酸含有アフリカマンゴノキエキスなど、米国発のサプリ原材料を国内市場に広げた実績が注目され、海外メーカーらが同社にコンタクトを取っている。
【石川太郎】
(冒頭の写真:米ケミン社ヒューマンヘルス&ニュートリションのホセ・ピッコロット社長と龍泉堂の塩島社長。今年4月17日、都内ホテルで。龍泉堂提供)
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