サポウイルスで15人が食中毒に 千葉市、仕出し弁当業者に営業停止3日間
千葉市内でサポウイルスによる食中毒が発生。弁当を食べた88人のうち15人が下痢や発熱などの症状を呈し、うち2人が入院していることが分かった。
企業向け弁当が原因か
発端は先月27日、医療機関からの「会社で注文した仕出し弁当を食べた複数人が下痢などの消化器症状を呈している」との通報にあった。
調査の結果、6月19日または20日に市内の仕出し弁当業者㈲ケーエムフーズ(若葉区高品町、勝平捷吾社長)が調理・提供した日替わり弁当およびカレーを喫食した3グループ88人のうち、15人が6月21日午前6時頃から食中毒症状を発症したことが判明した。患者の内訳は男性12人(20~50歳代)、女性3人(20~40歳代)。
患者12人および施設従事者3人からサポウイルスが検出され、症状や潜伏期間も同ウイルスに一致。さらに、感染症を疑う先行感染や患者間の接触が見られなかったことから、市保健所はケーエムフーズが提供した弁当に起因する食中毒と断定した。
今回の食中毒を受けて、同社には今月4日~6日までの3日間、営業停止処分が科された。
サポウイルスに関する注意喚起
サポウイルスはノロウイルスに類似し、ヒトの小腸粘膜で増殖する感染力の強いウイルス。感染源は加熱不十分な二枚貝や、感染者の手指を介した食品汚染などが知られている。主な症状は下痢、吐き気、嘔吐、腹痛、発熱で、潜伏期間は12~48時間とされ、発症後は3日以内に回復する場合が多いが、ウイルスの排出は最大1カ月続く可能性がある。
同菌を原因とする食中毒としては先月、浜松市内にあるビュッフェスタイルの飲食店で58人が発症している。
予防には、手洗いの徹底、症状がある者の調理自粛、調理器具の塩素系漂白剤による消毒、食品の十分な加熱(中心温度85~90℃で90秒以上)が推奨されている。
千葉市の発表資料はこちら(千葉市HPより)