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オメガ3の新たな可能性 次世代研究が描く健康価値最前線~食品化学新聞社

 食品科学新聞社はこのほど、日本脂質栄養学会、クリルオイル研究会との共催で「次世代のオメガ3機能性研究最前線~新たなステージに向けてオメガ3の可能性~」と題したセミナーを東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催した。

守口氏が語る「オイルリテラシー」の重要性

 基調講演では、麻布大学発ベンチャーの㈱食機能探索研究所 BABILONの守口徹代表取締役がオメガ3系脂肪酸に関する報告を行った。
 特別講演では理化学研究所生命医科学研究センターの磯部洋輔氏によるオメガ3系脂肪酸の代謝経路とその病態に関する研究、小川順京都大学大学院教授による発酵と腸内細菌に関与するオメガ3についての研究を発表した。

 守口氏は講演冒頭でオイルリテラシーの重要性について言及し、「国民が油脂に関する正しい知識を持ち、選択利用で健康に役立てることが必要」と強調。その上で、同じ多価不飽和脂肪酸でもアラキドン酸などのオメガ6系脂質と、α-リノレン酸に代表されるオメガ3系脂質では栄養素としての役割が異なり、オメガ6系は現代の日常的な食事で不足することはほとんどなく、過剰に摂取するとアレルギー反応を起こすリスクが高まるが、オメガ3系は一般的な食品から取り過ぎることはなく、むしろ現代人には不足していると指摘。

ライフステージ別のオメガ3の効能とは?

 さらに、「ライフステージごとのオメガ3系脂肪酸の有用性では、乳児・幼児期には脳機能の発達、成長青年期は花粉症などアレルギーの抑制、成熟・壮年期は視覚機能維持やドライスキン抑制などQOLに、老年期には健全な脳機能の維持、動脈硬化予防などに寄与する。近年にはオメガ3が筋肉の炎症を抑えるとしてアスリートが積極的に取るようになっている」と説明した。

赤血球分析で脂質バランスを「見える化」

 後半には生体内の脂質バランスの見える化を図ることでオイルリテラシーを高めようとする取り組みも紹介。これは過去1~2カ月の食生活が反映される赤血球脂肪酸の分析方法を確立したことで、体内の脂肪酸のバランスを誰でも分かりやすいよう「あぶらの通信簿」の形式にまとめて知らせるもの。講演のまとめとして守口氏は、「個人に応じた選択力、性別、体質や食生活の現状を踏まえた上で、適切に油脂を取ることがオイルリテラシー向上につながる」とした。

 その後の特別講演2題では、オメガ3系脂肪酸の代謝物による炎症制御、機能性脂質の発酵生産と微生物の応用研究により、免疫制御や感染抑制、動脈硬化予防などの分野で大きな進展が期待されることなどが報告された。

セミナーには50人近い業界関係者が聴講に訪れた。当日のファシリテーターを務めたのは矢澤一良氏

【堂上 昌幸】

(冒頭の写真:講演する守口徹氏)

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