サプリメントの原材料販売などを行う㈱龍泉堂（塩島由晃社長）が非変性Ⅱ型コラーゲンの販売量の引き上げを図る。同コラーゲンを含む鶏軟骨抽出物を複数取り扱っているが、拡販を図るのは独自開発素材。生産可能量との兼ね合いで販売量を制限していたが、以前から進めていた増産体制の構築が完了した。さらに、来年以降、欧州メーカーが製造する非変性Ⅱ型コラーゲン含有鶏軟骨抽出物の国内販売を新たに始める計画も立てている。

NEXT‐Ⅱ、供給制限を解除

　増産体制を敷いたのは、同社で商標登録した「次世代型非変性Ⅱ型コラーゲン」を別名称として掲げる独自開発素材の「NEXT‐Ⅱ」だ。9月11日、都内で開催した同社主催学術セミナーの中で、非変性Ⅱ型コラーゲン含有鶏軟骨抽出物のラインアップ拡充計画と共に明らかにした。

　龍泉堂が米国で製造される非変性Ⅱ型コラーゲン含有鶏軟骨抽出物の輸入販売を開始したのは2007年。現在までに約18年の販売実績がある。その中で「NEXT‐Ⅱ」は、同社が独自に開発した、非変性Ⅱ型コラーゲンを10％以上含む鶏軟骨抽出物。リスクヘッジなどを目的に、2015年までに製法の開発を終えていた。

　開発後、国内外で特許権を取得したり、日本人に対する安全性や有効性を検証するための臨床試験を実施したりした後、22年秋、膝・腰ケアを訴求する機能性表示食品の機能性関与成分としての届出実績を作った上で販売を開始。だが、生産可能量に課題を残していたという。「ようやく増産体制を整えることが出来た。今後は、これまで提案できなかった先にも積極的に紹介していきたい」（塩島社長）。

　機能性表示食品の領域で拡販を図る。「NEXT‐Ⅱ」について現在可能なヘルスクレームは、「非変性Ⅱ型コラーゲンは膝（ひざ）関節の柔軟性・可動性を助け、歩く、階段の昇り降り、しゃがむ、正座する、正座や椅子から立つといった日常生活における膝や腰の違和感の軽減、寝返り、腰を反らす、腰をひねる時の腰の違和感の軽減、スムーズな歩行や階段の昇り降りをサポートすることが報告されています」。膝に対する働きのみを抽出したヘルスクレームでも届出実績がある。

　科学的根拠の確認にあたっては、変形性膝関節症状に対する非変性Ⅱ型コラーゲンの有効性を初めて確認した海外研究者らと共同で、健常な日本人を対象にした臨床試験を実施。安全性に関しても、「NEXT‐Ⅱ」の過剰摂取試験を実施して確認の上、有効性と同様、論文として対外的に発表した。

　1日当たり摂取目安量は40mg。最終製品としての1日当たり摂取目安量を「1粒」とする製品設計を引き続き可能にした。また、非変性Ⅱ型コラーゲンの分析については、同成分を正確に定量できるELISA法を採用。同社として論文発表している分析方法に基づく品質管理を引き続き行う。

　このように、以前から取り扱っている非変性Ⅱ型コラーゲンの特長を残しつつ、安全性から有効性まで日本人を対象にしたデータがあることを強みにしながら、需要の引き上げを図る考えだ。

欧州の有名ブランド、ラインアップに追加へ

　なお、龍泉堂が今後の取り扱いを予定している非変性Ⅱ型コラーゲン含有鶏軟骨抽出物は、スペインの原材料メーカー、バイオイベリカ（Bioiberica）社が製造する「Collavant（コラヴァント） n2」という製品。欧州では認知度が非常に高い非変性Ⅱ型コラーゲンの原材料ブランドだという。現在、メーカーとの間で調整を進めている。

（冒頭の写真：顧客らを招待して開催する毎年恒例の学術セミナーで非変性Ⅱ型コラーゲンの販売戦略を明らかにした龍泉堂の塩島社長。9月11日都内）

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