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2020年版食事摂取基準の策定方針を議論~厚労省の検討会

<「目標量」設定のエビデンスレベル>

 厚生労働省の「『日本人の食事摂取基準』策定検討会」は9日、2020年版食事摂取基準の策定方針を議論した。同検討会は来年3月に報告書を取りまとめる。報告書を受けて、厚労省は19年度中に「食事による栄養摂取量の基準」(厚労省告示)を示す計画。20年版食事摂取基準は20~24年度まで適用される。

 会合では、ワーキング・グループが検討状況を報告。20年版食事摂取基準の策定に関する基本事項と、エネルギー・栄養素の基準策定方針を説明した。

 栄養素の指標は、「推定平均必要量」「推奨量」「目安量」「耐容上限量」「目標量」の5つ。そのうち「目安量」については、生活習慣病の「発症予防」を目的とした量と、重症化予防やフレイル予防を目的とした量を明確に分ける方針を示した。

 また、「目標量」の設定について、エビデンスレベルを示す試みも取り入れる。エビデンスレベルは、数値設定に使用した研究論文の種類・数によってランク分けを行う。複数のメタ分析があり、そのうちの1つ以上が量反応関係メタ分析であるケースが、もっとも強いエビデンスレベルと位置づけている。

 年齢区分については、高齢者を65歳以上とし、「65~74歳」「75歳以上」の2区分とする。これにより、65~74歳を前期高齢者、75歳以上を後期高齢者とする医療・介護政策の区分との整合性を図る考えだ。

<高齢者の「たんぱく質」目標量を引き上げ>

 エネルギー・栄養素の基準策定では、「たんぱく質」の高齢者の目標量を引き上げる方針を示した。一方、「たんぱく質」の耐容上限量の設定は、十分なエビデンスデータがないことから見送られた。「当面は目標量の上限量を活用したい」(ワーキング・グループ座長の佐々木敏委員)と説明した。「脂質」はコレステロールで、脂質異常症の重症化予防を目的とした量を新たに設定する。

 脂溶性ビタミンのビタミンDについては、骨折リスクを上昇させない量に基づき、「目安量」を策定する方針。ビタミンDとフレイル予防の関係を記載し、留意事項として、日光を浴びることによって体内で産生されることから、日照時間を考慮する重要性を強調する。また、一部委員から「(目安量を引き上げると)特別用途食品の許可のハードルも上がるため、慎重に議論してほしい」との注文も付いた。

 脂溶性ビタミンに関する今後の課題として、ビタミンAの慢性的な過剰摂取による疾患リスクの増大の検討や、ビタミンK不足と骨折リスクの関連性に関するさらなる研究が必要な点などを挙げた。

(写真:9日開催の検討会の様子)

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