1. HOME
  2. 特集
  3. 高麗人参100がスマッシュヒット 【九州のヘルスケア産業】エバーライフ、「アイノウEX」も好調

高麗人参100がスマッシュヒット 【九州のヘルスケア産業】エバーライフ、「アイノウEX」も好調

 前期(2022年12月期)も増収増益で着地した㈱エバーライフ(中込俊彦社長)。健康食品の新商品のヒットが好調要因の1つ。化粧品は伸び悩んだが、テレビショッピング大手への卸販売が業績に寄与した。今期(23年12月期)は、同社の代名詞的なブランド『皇潤』のテコ入れなどを検討している。成長投資に強い意欲を持つ親会社、LG生活健康(LGグループ)のバックアップも受けながら、業績のさらなる拡大を目指す。

ジンセンベリーに着目 LGと共同開発

 昨年5月発売した健康食品『高麗人参100』(ソフトカプセルとドリンクの2タイプ)の販売が好調だ。高麗人参の健康食品で一般的に使われる「根」だけでなく「実」(ジンセンベリー)も原料にしたもの。LG生活健康と共同開発した。発売以来、新規顧客の獲得が続いている。

 主な販売ターゲットはシニア世代の男女。「年間の売上高が25、30億円になると(通販健康食品業界では)ヒット商品と呼ばれる。そうであれば(高麗人参100は)かなりのヒット商品になる」との見通しを語るのは同社取締役の徳永義尚・営業本部長。月間売上高は数億円に上るといい、ヒットの要因として、高麗人参の実に着目した製品設計、その特長を伝える広告(インフォマーシャル)クリエイティブの成功──の大きく2つを挙げる。

 ダブルヘルスクレームを行える製品開発を志向している機能性表示食品にも売れ筋が生まれている。目のピント調節機能と記憶力の維持を訴求するサプリメント『アイノウEX』だ。同社としては珍しく、初回限定の特別価格を設定。それが功を奏し、継続購入者の割合を高めることにつながった。「目と脳(記憶力)という、どちらかといえば目の方を立たせているが、分かりやすい訴求もあって、LTV(ライフタイムバリュー)が非常に高い商品になっている」(同)。

 3年前から進めているテレビショッピング大手、ショップチャンネルに対する卸販売の拡大も業績に寄与している。ショップチャンネル専売のメイクアップ化粧品を中心に展開。エバーライフとしては化粧品の売上高が伸び悩んでいるが、ショップチャンネルは好調だ。また、当初はショップチャンネルのみだったものの、現在はエバーライフでも販売しているクリルオイル配合サプリメントの売り上げも順調に伸びている。

今後の注目は「皇潤」の動き 「テコ入れの必要を意識」

 増収増益は7期連続。22年12月期の売上高はグループ全体で約180億円だった。健康食品と化粧品の2大取り扱い商材が売上高に占める割合は、化粧品よりも健康食品の方が大きい。

 一方で、同社を代表する健康食品のブランド『皇潤』シリーズは、広告投資が『高麗人参100』など投資効率の高い商品に振り向けられていることもあり、売上規模は決して小さくないながらも、伸びは見られていない。「当社としてもテコ入れの必要を意識している」(同)とする。

 『皇潤』の発売は2003年8月。まもなく20年が経過する。徳永営業本部長は、「ルーティンに縛られることなく、ニーズに合わせて変化していく必要がある。LGグループの堅実なバックアップも受けながら、成長のための投資を続けていきたい」と話す。

【石川太郎】

『ウェルネスマンスリーレポート』2023年7月10日号(第61号)より転載

(冒頭の写真:エバーライフが昨年発売した『高麗人参100』のソフトカプセルタイプ)

<COMPANY INFORMATION>
所在地:福岡市中央区天神2-5-55 アーバンネット天神ビル(本社)
TEL:092-712-1311
URL: http://www.everlife.jp
事業内容:健康食品・医薬部外品の卸売・通信販売事業

〇【特集】九州のヘルスケア産業 関連記事
開発から販路支援までオール九州で(前) 九州地域バイオクラスターの取り組み1
開発から販路支援までオール九州で(後) 九州地域バイオクラスターの取り組み2
新日本製薬、ヘルスケアを再育成 中計に掲げた100億円規模、どう実現するか

TOPに戻る

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

INFORMATION

お知らせ