都の専門委員会、健康食品による健康被害事例を報告
<筋肉増強サプリメントによる肝障害>
東京都は23日、東京都食品安全情報評価委員会を開催した。「健康食品による健康被害事例専門委員会」から、昨年12月1日~今年5月31日までに収集した健康被害事例3件の検討結果が報告された。
同委員会の梅垣敬三座長は3件の健康食品による健康被害事例を検討した結果を報告。めまいと腹痛・下痢の2件は、医薬品との併用や食経験が短い含有成分が原因の可能性を示唆した。筋肉増強サプリメントの使用により肝障害が報告された事案については、詳細な情報が得られなかったことから、事例として蓄積すると説明した。
また、新たな収集方法を検討し、データの底上げを図る方針を発表。梅垣座長は「健康食品の被害事例は減少傾向にあるが、厚生労働省、(独)国民生活センター、日本医師会、東京都、販売企業などで収集している情報が統合できておらず、また、健康被害を受けた消費者はまず企業に苦情を申し立てる状況にあり、潜在事例が多い」と指摘した。
「機能性表示食品でも錠剤・カプセル形状のものを使用して、因果関係が不明な健康被害が起こっている。特徴として、疾患がある人が使う、多種類使用するといった状況にある。因果関係の分析にも情報が不足しているため、新たな対応をしていくことが必要」と述べ、対応策を策定する考えを示した。
(写真:23日に開催された東京都食品安全情報評価委員会)