訴訟終結、大正製薬VSハットトリック CMキャラクターは三浦知良氏から木村拓哉氏へ
一部マスコミの報道で話題を集めているとおり、大正製薬㈱(東京都豊島区、上原茂社長)が、プロサッカー選手の三浦知良氏のCM起用をめぐり、㈱ハットトリックと訴訟を起こしていたことが明らかとなった。大正製薬は4日、「株式会社ハットトリックとの訴訟について」とするニュースリリースを自社の公式ホームページに掲載している。
書面によれば、同社は長年にわたり、リポビタンD製品の宣伝に三浦知良選手をCMキャラクターとして起用。リポビタンDの錠剤タイプの商品『リポビタンDX』の販売に当たり、同社が同製品の広告に三浦選手を起用しようとしたところ、「錠剤」については契約書に規定がないとして、三浦選手の広告管理を行っている㈱ハットトリックに断られたという。
その後、三浦選手はサントリーウエルネス㈱(東京都港区、沖中直人社長)の錠剤タイプの健康食品『グルコサミン アクティブ』の広告宣伝に起用された。当然、錠剤についても契約上の広告対象となっていると考えていた大正製薬は、このことを問題視。提訴に踏み切ったというもの。
この件について、同社のコーポレートコミュニケーション部は取材に対し、ハットトリック社を東京地裁に提訴したのが2021年1月、翌22年12月の判決では大正製薬の主張が認められなかったため東京高裁に控訴。23年7月に再び大正製薬の主張は斥けられたと説明している。「最高裁への上告は予定していない」という。
三浦選手の契約期間や契約料について同社は「契約に関する情報は非公開」としている。また、ホームページ上の書面では「サントリーウエルネスの行為自体にも問題がある」と批判しているが、特に同社に対して抗議文を送ったなどということはないという。
担当者は、「裁判の争点、当社の主張についてはニュースリリースのとおり」と述べている。
リポビタンD関連製品については、21年6月から全ての製品で、歌手で俳優の木村拓哉氏がCMキャラクターを務めている。
【田代 宏】