消費者庁、山田養蜂場に措置命令 サプリのニュースリリースに表示違反認定
ビタミンDと亜鉛が含まれるサプリメントについて、新型コロナウイルスの感染や重症化を予防する効果を得られるかのように表示していたのは景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして、消費者庁は9日、サプリメントや健康食品の製造販売を行う㈱山田養蜂場(岡山県苫田郡、山田英生社長)に対し、再発防止などを求める措置命令を行い、発表した。
違反対象となったサプリメントは、同社が昨年11月に発売した『ビタミンD+亜鉛』で、違反対象となった表示媒体は、同商品の新発売を告知するため同社が報道関係者向けに発信したニュースリリース。同社のホームページと、ニュースリリース配信サービスを手がける㈱PR Timesのウェブサイトに掲載された同ニュースリリースに対し、違反認定が行われた。
このニュースリリースでは、タイトル部で、「新型コロナウイルス〝第6波〟に警戒を <感染>と<予防>どちらも予防したい…お客様の声に応えて『ビタミンD+亜鉛』 2021年11月1日(月)新発売」と記載。当該商品のパッケージ写真や、商品ページにリンクさせたQRコードも添えられていた。
同商品と同時に違反対象とされたのは、ビタミンDや亜鉛などを含むサプリメント『1STプロテクト』および『2NDプロテクト』。両商品については会員顧客に発送したダイレクトメールの表示が違反認定された。「3 つの素材で免疫力を後押し万が一のときも安心」、「4つの素材で負けない力を後押し 重症化対策+免疫力を維持し、万全の対策へ」などと表示していた。
措置命令を受けた山田養蜂場は即日、ホームページを通じて一般消費者への誤認排除を行い、同3 商品に関する優良誤認表示で消費者庁から措置命令を受けたことを伝えた。また、「お客様をはじめ関係者の皆様に、多大なご心配とご迷惑をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます」として謝罪の意を表明するとともに、措置命令を「真摯に受け止め、広告や表示物の内容の見直しを図ると共に、再発防止のための表示管理体制の構築に努めてまいります」とのコメントを出した。
ウェルネスデイリーニュースは昨年11月5日、「コロナ予防を標ぼう 問われるモラル」として同社のプレスリリースについて報道、同社に取材を試みたが同社から回答はなく、翌日、同社のホームページからはリリースが取り下げられていた。
【石川 太郎】
(冒頭の画像:優良誤認を認定された、『ビタミンD+亜鉛』の新発売を伝える山田養蜂場のニュースリリース)
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