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消費者庁、適格消費者団体の差し止め請求事案を公表

消費者庁は11日、適格消費者団体の京都消費者契約ネットワーク(京都市中京区)と㈱ファンソル(東京都渋谷区)の間で、差し止め請求に関する協議が整ったと発表した。消費者契約法第39条第1項の規定に基づき公表したとしている。

ウェルネスデイリーニュースサイトで既報のとおり、ファンソルは自社ウェブサイトで、サプリメント『王妃のめぐみ』を販売し、その際、「初回100円モニターコース」の場合、初回1袋だけを100円で購入できるかのような広告を行っていたが、実際には最低2回の購入継続が条件となっていた。2回目に20袋分(3万9,200円)の購入が必要だったとし、京都消費者ネットワークは、不当景品類及び不当表示防止法に抵触する恐れがあるとし、広告の差し止め請求を行った。

ファンソルは6月30日、京都消費者ネットワークの申し入れに応じて表示を中止したと連絡、これを受けて8月25日、京都消費者契約ネットワークは、申し入れの趣旨に沿う対応が取られたとして、申し入れを終了している。今回の消費者庁の発表はこの一連のやりとりについて、京都消費者契約ネットワークからの報告を受けてのもの。

その後、特定適格消費者団体の消費者支援機構関西(大阪市中央区)は8月7日、ファンソルに対して「返金を希望する者に対して返金する旨を通知し、販売金額全額の返金を行うこと」、「購入代金未払いの購入者に対し、今後の代金の支払いの必要がないことを通知し、今後は支払いを要求しないこと」、「購入代金の支払いに当たり、クレジットカードを利用した購入者とコンビニ後払いを利用した購入者に対し、直ちに返金措置を取り、購入者への支払い負担がないようにすること」という申し入れを行った。回答期限を8月末日とし、回答がない場合は裁判に進むかどうかを検討するとしていた。

取材によれば、消費者支援機構関西の担当者は、「ファンソル側からは期日までに回答があった」と話している。回答について、内部で調整する必要があるために、検討中としている。デリケートな案件のために回答の内容は「まだ公にできない」という。
一方、ファンソル側でも「何かあれば連絡する」として回答の内容に関するコメントはなかった。

【解説】
適格消費者団体は、消費者の利益を守るために差止請求権を行使できる消費者団体として内閣総理大臣の認定を受けている。現在、21団体が認定されている。同団体のうち、返金を求めるために集団訴訟を起こす資格を持っている法人を特定適格消費者団体といい、現在、特定非営利活動法人消費者機構日本(東京都千代田区、藤井喜継理事長)、特定非営利活動法人消費者支援機構関西(大阪市中央区、藤井克裕理事長)、特定非営利活動法人埼玉消費者被害をなくす会(さいたま市浦和区、池本 誠司理事長)の3団体がある。
今後、消費者支援機構関西が集団的な消費者の被害回復に向けた訴訟(事業者の金銭支払い義務の確認)を準備しているかどうかが注目される。

また、8月に消費者庁が業務停止命令を下した『麹まるごと贅沢青汁』を販売する㈱wonder(栃木県宇都宮市)をめぐり、「契約を破棄したいが電話がつながらない」、「商品が送り続けられている」などの電話が消費者から編集部に多数寄せられている。
このような被害についても、「適格消費者団体に通報してもらっても構わない」(消費者支援機構関西)という。

【田代 宏】

※第39条1項 内閣総理大臣は、消費者の被害の防止及び救済に資するため、適格消費者団体から第23条第4項第4号から第9号までおよび第11号の規定による報告を受けたときは、インターネットの利用その他適切な方法により、速やかに、差止請求に係る判決(確定判決と同一の効力を有するもの及び仮処分命令の申立てについての決定を含む。)または裁判外の和解の概要、当該適格消費者団体の名称及び当該差止請求に係る相手方の氏名又は名称その他内閣府令で定める事項を公表するものとする。

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