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河野大臣、届出資料の「再検証」要請 届出表示めぐる措置命令受け、業界団体と届出者に対し

 河野太郎・消費者担当大臣は4日、閣議後記者会見の冒頭発言で、先月30日に消費者庁が公表した機能性表示食品の届出表示などに関わる景品表示法違反事案に言及した。

関連する届出約90件 個別確認も開始

 今回の違反事案によって「機能性表示食品制度に対する信頼が損なわれることのないようにする」ための対応についても触れ、届出が公表されている機能性表示食品の科学的根拠の再検証を随時行うよう、業界団体を通じて届出者に求めたほか、今回の措置命令の対象となった2つの機能性表示食品と同一の機能性関与成分であり科学的根拠も同一である他の届出約90件に関する個別の確認作業を、消費者庁が3日から始めたと説明した。

 当該約90件の届出には、「科学的根拠として疑義がある」ことを指摘したといい、各届出者から疑義を払拭するに足る合理的な回答を得られるか消費者庁で確認する。各届出者には、現在届け出ている科学的根拠を補強できる資料の提出が求められることになる。回答期限は「2週間以内」(河野大臣)と短い。河野大臣は、確認の結果は公表する、と述べた。

 今回の措置命令の対象となった機能性表示食品2商品は、DHA・EPAによる中性脂肪の低下、モノグルコシルヘスペリジンによる血圧の低下、オリーブ由来ヒドロキシチロソールによる血中LDLコレステロールの酸化抑制をそれぞれ届出表示にしていた。

 消費者庁食品表示企画課によると、機能性表示食品としての要件を満たしているかどうかを個別に確認する約90件の届出の内訳は、DHA・EPAについて31件、モノグルコシルヘスペリジンについて14件、オリーブ由来ヒドロキシチロソールについて47件。現段階では要件を満たしていないとは言えない。そのため届出者名などは公表していない。各届出者が今後、消費者庁から提示された疑義を覆す根拠資料を提出できるかどうかが焦点になる。

 河野大臣は会見で、今後の制度運用に関する方針も説明した。「事業者の自己責任で、科学的根拠に基づき、食品の機能性が表示できるというこの制度の主旨を踏まえながら、消費者の誤解を招くことのないよう、制度の厳正かつ適切な運用を図っていきたい」としている。

 消費者庁は3日、(一社)健康食品産業協議会をはじめとする業界団体に対し、届出が公表されている機能性表示食品の届出資料の再検証を行うよう書面で要請した。書面は、食品表示企画課長および表示対策課長の連名。

 同庁は書面で、機能性表示食品は「特定保健用食品と異なり、表示される機能について国が個別に許可しているものではない」などと断った上で、「表示の裏付けとなる科学的根拠が合理性を欠くと認められる場合には、その表示は景表法等に基づく虚偽誇大表示や食品表示法に基づく食品表示基準違反に当たるおそれがある」とし、安全性と機能性に関する科学的根拠資料の再検証を求めたほか、届出資料を作成し提出する際には、届出ガイドラインや質疑応答集のほか事後チェック指針などに基づき「適切に行う」よう求め、会員企業などに周知するよう要請した。

【石川太郎】

(冒頭の写真:4日、オンラインで会見を行った河野大臣)

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〇関連動画:消費者庁による記者説明

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