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機能性表示、安全性「緊急」点検結果 消費者庁集計、35製品に医療従事者から健康被害情報

 今月12日が報告期限となっていた、全ての機能性表示食品を対象とする安全性に関する緊急点検の結果を、消費者庁が18日、公表した。医師や薬剤師などの医療従事者から届出者(事業者)に寄せられた健康被害情報の件数は、同庁が12日夕に公表していた速報値から増え、22事業者35製品、延べ147件だった。件数は2ケタに届かないものの、入院が必要になったとする健康被害情報も含まれるという。

延べ147件、いずれも因果関係は不明

 しかし、いずれも因果関係は不明。また、同庁食品表示課は、小林製薬㈱(大阪市中央区)が販売していた機能性表示食品『紅麹コレステヘルプ』との関連が疑われる腎機能障害の健康被害情報とは異なり、「特定の製品に特定の症状が集積して認められる状況ではない」との感触を示しており、「現段階ではただちに何らかの対応が必要とは考えていない」と説明している。特定の関与成分に特定の症状が集積している状況でもないという。

 点検対象は、小林製薬が健康被害情報を初めて公表した先月22日時点で届出のあった1,693事業者6,795製品(撤回届出済み製品除く)。現時点の回答率は96.1%(製品ベース)で、同庁は引き続き回答を求めることにしている。

 消費者庁の発表によると、今回発表したのは17日午前0時時点の集計結果で、全体の9割超にあたる1,551事業者6,530製品の回答をまとめた。6,530製品のうち販売実績のある製品は4,603製品で、このうち35製品について、医療従事者から、延べ147件の健康被害情報が報告されていたことが分かった。そのうち1製品5件は、先月22日までに、腎機能障害の健康被害が医師から報告されていた小林製薬の『紅麹コレステヘルプ』に関するもの。また、2015年4月の機能性表示食品制度施行以来、約9年間にわたる、医療従事者からの健康被害情報の報告有無を調べたため、かなり以前に報告された健康被害情報も含まれる。

報告不要の判断、届出GLとの整合性を検証・公表へ

 同庁食品表示課は、食品の使用による健康被害の因果関係を確認することは、「理論的、技術的にも非常に難しい」と指摘。そのため、医療従事者が健康被害情報として事業者に報告した延べ147件の中には、「実態として、因果関係がないものも含まれている可能性もある」とした。同庁は今国会で健康被害情報が報告された個々の製品について、被害情報件数を明らかにするよう厳しく追及されているが、公表していない。

 医療従事者から健康被害情報の報告を受けていた22事業者は、いずれも被害情報を評価した結果、消費者庁への報告は不要と判断していた。同庁では今後、報告不要と判断した評価プロセスと、届出ガイドラインで示した、健康被害情報の収集・評価・報告に関する指針との整合を確認する。また、健康被害が生じていた可能性などについて、医学などの専門家に検証を求める。必要に応じて、事業者に対して追加の聴き取りも行う。届出ガイドラインとの整合が問われることになる。

 消費者庁は、確認、検証の結果を、来月中旬以降にも公表する考え。きょう19日から始まる「機能性表示食品を巡る検討会」で、機能性表示食品制度の今後のあり方を検討する際の材料にもされそうだ。

 検討会の1回目の会合は、きょう10時から正午まで。YouTubeで傍聴できる。同庁によると、アーカイブ配信は実施しない。

【石川 太郎】

関連記事:18製品に健康被害報告、因果関係不明 安全性「緊急点検」結果(速報値)
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