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持続可能なサービスの提供が求められる 【通信販売業界の最新動向】消費者を巻き込んだ対策を

 コロナ禍で業態変更を余儀なくされた異業種による通販ビジネスへの参入、大手食品メーカーなどによるDtoC事業の拡大などもあり、通販市場の新規客獲得競争は激しさを増した。新型コロナウイルスが今年5月、感染法上の2類から5類相当に変更されコロナ禍以前の経済活動が再開されるも、依然として消費者の通販ニーズは高い。健康食品・化粧品販売において重要なチャネルである通販ビジネスにとって、切っても切り離せない物流問題。「送料無料」表示の見直しに関する議論も進む。

急がれる物流の「2024年問題」対策、「送料無料」表示の見直しは?

 4月1日以降、働き方改革関連法の取り決めで、トラックドライバーの年間時間外労働時間の上限が960時間に制限される。これによりドライバーが不足、物流の停滞につながると懸念されている。これが物流の「2024年問題」と言われているものだ。
 政府は昨年6月2日、我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議を開き、「物流革新に向けた政策パッケージ」を決定した。商慣行の見直し、物流の効率化、荷主・消費者の行動変容の3つの観点から、2024年問題への抜本的・総合的な対策を講じる構え。
 商慣行の見直しにおいて盛り込まれた送料無料表示の見直しに取り組む方針を受けて消費者庁では、送料無料表示に関する実態や見直しによる影響などを把握するため、運送事業者、荷主事業者などと意見交換会を実施。これまでに計9回実施された。これまでどのような意見が出されたのか、改めて振り返る。

「送料は無料ではない」として、「送料無料」表示の見直しを求める声
 
 (公社)全日本トラック協会は、「送料は運送の対価として収受するものであり無料ではない。『送料無料』という言葉が、『輸送にはコストがかからない』という誤った考え方を消費者に植え付けることになる」として、「送料無料」の表現をやめ、「送料は当社にて負担します」、「送料は〇〇円いただきます」、「送料は別途負担いただきます」など、送料がかかっていることが分かる表現にしてもらいたいと主張。「『送料無料』の表現により、業界の地位が著しく低下し、人手不足にもつながっている」、「物流を軽く見ている表現だ。消費者の物流に対する意識を変えてほしい」などといった運送事業者やドライバーの声を紹介した。
 全日本交通運輸産業労働組合協議会(交運労協)は、「宅配クライシス」によって物流に対するコスト意識が浸透したのであれば良いが、今も続けられている「送料無料」表記によって、物流の背後にある「労働」への想像力を欠如させる結果になっていると主張。「不当景品類及び不当表示防止法」を適用し、「送料無料」表示を禁止すると同時に、広く社会に広報しながら消費者への理解喚起と行動変容につなげてもらいたい。また、コロナ禍においても事業継続を要請された貨物自動車運送をはじめとする全てのキーワーカーが、正当に評価される社会を創りたいと訴えた。

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【藤田 勇一】

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