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抗炎症、抗酸化をメインテーマに 
抗酸化・機能研究会、オンラインセミナー開催

 (一財)食品分析開発センター(SUNATEC)は3日、「第3回抗酸化・機能研究会」をオンライン形式で開催した。700人以上が受講した。同講演は2021年の年初開催を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大状況を鑑み延期され、この日の開催となった。「腸内環境と食-抗炎症・免疫調節・抗酸化を中心に-」をテーマに、後半にはミネソタ大学のジョアン・L・スラビン教授とネットでつないだ特別講演も演題に盛り込まれた。

 抗酸化物質研究のフロントランナーとして活動する東北大学加齢医学研究所の本橋ほづみ教授は、「NRF2による硫黄代謝制御と抗炎症作用」を演題に講演。前半はNRF2の基本的なメカニズム、Keap1-Nrf2経路が酸化ストレスに対する生体防御機構として重要な役割を果たしていることを示しながら、抗酸化作用、抗炎症作用を持つNRF2が疾病予防につながる機序を解説した。またアルツハイマー病などをコントロールされたマウス実験により、どのようにNRF2が働いているのかのメカニズムも示した。

 後半では、「認知機能を高めるわさび由来のメチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート(6-MSITC)などの研究が進めば、医薬品はもちろん、健康食品においても抗加齢につながっていくような展開が期待できる」と話した。また、NRF2によるミトコンドリアの硫黄代謝の促進が重要であるとし、「NRF2による抗炎症作用のエフェクターの1つは、ミトコンドリアで産生される活性硫黄種であると考えられる」とした。

 腸内フローラとポリフェノールの機能的相互作用に関する研究テーマにした、甲南女子大学医療栄養学の川畑球一准教授のこの日の演題は、「ビフィズス菌の高機能化を介したポリフェノールの健康機能発現」。ポリフェノールは小腸ではほとんど吸収されないが、大腸ではポリフェノールが腸内フローラに影響を及ぼし、菌叢類のバランスを整える作用を持つことが分かっており、一酸化窒素(NO)を酢酸と乳酸がどのように抑制、活性しているか、低分子化したポリフェノールと新奇物質の相互作用や腸内有用細菌の機能的相互作用などの研究結果を示した。また、糖代謝やエネルギー活性など抗炎症以外の活性についても、今後研究を続けていくとした。

(冒頭の写真:開会のあいさつに立った同研究会の大澤俊彦理事長)

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