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届出対策緊急セミナーに30社超 「問21の影響、じわじわと広がっている」(竹田氏)

 9月29日に消費者庁が公表した機能性表示食品の改正ガイドラインにおいて、突然、「質疑応答集」問21が改正され、Q&Aに基づいて届出の差し戻しが相次いでいることで、多くの事業者が困っている。㈱ウェルネスニュースグループ(WNG)はきのう(9日)、機能性表示食品届出対策緊急セミナーをオンラインで開催した。大手原料メーカーを中心に受託メーカー、分析機関、コンサル会社など30社を超える関係者が視聴した。

 関西福祉科学大学の竹田竜嗣准教授は、機能性表示食品安全性評価の今後~『質疑応答集問21』改正に届出企業が取るべき対応」と題して講演した。
 現在、消費者庁の差し戻しパターンには、「いったん受理するが、国立健康・栄養研究所(国立栄研)の情報を削除した変更届を提出させる」、「完全に差し戻し」の2パターンがあると説明。他に不備がある場合なども考えられるが、これらの対応の違いはよく分からず、不公平感があると指摘。
 「今ひとつ消費者庁のルールが分からず、同庁が静観しているためにあたふたしている事業者が増えているのが実情」と、10月中に相談を受けた事業者の動きを紹介した。そのために、2次情報を使用せずにどう記載していいのか、お手本がなくなったことで、多くの事業者がどこから手を付けていいのか分からない状況に陥っているという。相談事例によると、消費者庁は「基準はない。事業者が適切に判断すること」などと、取り付く島がない状態。

 同氏は、「安全性に関するフローチャートをどう評価するかというのは、基本的に喫食実績。喫食実績における食経験の評価で、既存情報があるかどうかが問題となる。フローチャートでは、自らが喫食実績がなくとも、類似した製品、あるいは機能性関与成分の喫食実績が確認できれば「よし」とされる。
 ガイドライン「別紙様式(Ⅱ)」には、「公的機関のデータベース、民間や研究者等が調査・作成した2次情報から情報を収集」することとされているが、「公的機関のデータベースがほぼ無くなった」と竹田氏は述べ、それを前提に今後どうすればよいか、1次情報の使い方、濃縮エキスを原料として使用している場合など、いくつかのポイントについて解説した。

 また、目的によって代替利用が可能なデータベースとして、城西大学「食品ー医薬品相互作用データベース」や(一社)日本医薬情報センター(JAPIC)のリンク集などを紹介した。

 同氏は最後に、国立栄研の2次情報が使用できなくなった現在、これからの2次情報の信頼性について言及し、「公的機関が作成したものや収集のプロセス、収載の期間などが明らかでない限り、信頼性が担保されているとは言えない」と指摘した。

 WNGの田代宏記者は、「栄研の情報はなぜ使えなくなったのか?~取材から見えてきた真相」と題し、今回の問題の端緒となった国立栄研とナチュラルメディシン・データベース(NMDB)の著作権をめぐるトラブルについて、年表に沿って時系列に説明した。「質疑応答集」問21をめぐる消費者庁、国立栄研、業界団体への取材結果を詳細に報告し、異常事態を受けたそれぞれの対応の拙さを批判。これまで貴重な知的財産をタダで使ってきた関係者の責任も認めつつ、トラブルの一方の当事者でもある、東アジア圏でNMDBの権利を有する(一社)日本健康食品・サプリメント情報センター(jahfic、田中平三代表理事)に対し、説明責任があるとした。また、国立栄研とjahficの交渉が決裂した真相にも触れた。

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