小野薬品がマルハニチロと協業
機能性表示食品の開発巡り ヘルスケア子会社通じて市場参入へ
オプジーボなどの医療用医薬品を手掛ける小野薬品工業㈱(大阪市中央区、相良暁社長)とマルハニチロ食品㈱(東京都江東区、池見賢社長)が機能性表示食品などサプリメントの開発で協業する。すでに、水産物由来の機能性脂質製品の共同開発を進めており、小野薬品工業は近く、健康食品市場に本格参入し、同社として初めてBtoC事業に乗り出す。両社連名で24日に発表した。
すでに届出実施 睡眠ケア領域のサプリ
小野薬品工業は昨年2月、100%子会社として小野薬品ヘルスケア㈱(大阪市中央区、野田康成社長)を設立。機能性表示食品や健康食品を手掛けることを目的に立ち上げたもので、今後、同子会社を通じてサプリメントのBtoC事業を展開していくことになる。
小野薬品ヘルスケアでは、第1弾商品になる機能性表示食品の届出をすでに終えている。水産物由来のDHA、EPA、DAGE(ジアシルグリセリルエーテル)を機能性関与成分にしたサプリメント『REMWELL(レムウェル)』の届出を昨年10月に行った。発売時期などは明らかにされていないが、小野薬品工業は取材に、「そう遠くない」(広報部)と述べた。
レムウェルは、睡眠ケア領域の機能性表示食品で、「一時的に睡眠に不満を感じている健康な方の深睡眠とレム睡眠の割合を増加させることで、睡眠の質を向上させる機能があります。さらに、一時的に活気・活力が低下している方の不安感・緊張感・気分の落ち込みを和らげ、一時的な活気・活力の向上と日中の眠気の軽減に役立ちます」(一部抜粋)をヘルスクレームとする。
この機能性関与成分を含む原材料が、小野薬品工業とマルハニチロ食品の共同開発製品。マルハニチロ食品が製造するDHA・EPA・リン脂質含有イクラオイルおよびDAGE含有精製深海サメ肝油について、プロスタグランジンなど生理活性脂質の研究を手掛けてきた小野薬品工業で機能性研究を行い、有効性を実証するなどした。
相次ぐ製薬企業のサプリ市場参入
ここにきて製薬企業がサプリメント市場に新規参入する動きが相次いで立ち上がっている。ジェネリック医薬品大手の沢井製薬㈱(サワイグループホールディングス㈱)が今秋にも複数の機能性表示食品の販売を開始する見通し。現在、届出手続きを進めている。また、同じく後発医薬品大手の東和薬品㈱が昨年12月、サプリメント・健康食品受託製造国内大手の三生医薬㈱の買収を発表。同社をグループ傘下に迎えてことで健康食品市場に本格参入する構えだ。
【石川太郎】