北海道認定と機能性表示で需要喚起 「ヘルシーDo」マーク付き機能性表示食品をアジアへ
北海道の独自食品機能表示制度「ヘルシーDo」の認定を受けるとともに、消費者庁に届け出された機能性表示食品でもあるサプリメントを、アジアの消費者や生活者に提案する取り組みを今月から始める企業がある。
ヘルシーDo認定を受けた健康食品は、北海道庁が発行する認定マークを商品パッケージなどに表示できる。アジアの中でも、特に、台湾や東南アジア地域の人びとに人気のある「HOKKAIDO」発の健康食品であることをアピールしていく手段として、同認定を活用することにした。
エル・エスコーポレーション、「HOKKAIDO」発エルゴチオネイン配合サプリ発売
この取り組みは、健康食品の原材料開発・販売も手がける㈱エル・エスコーポレーション(東京都中央区、鈴木真社長)が今月から始めるもの。北海道で収穫された食用キノコに由来する機能性関与成分を配合した機能性表示食品のサプリメントを、国内外の消費者、生活者に提案する。海外での販売は、主に東南アジア地域で展開する。
海外はまず、北海道産品のアンテナショップ「北海道どさんこプラザ」のシンガポール店とタイ・バンコク店の2カ所で販売を始める予定だ。また、同プラザの国内店舗でも販売し、現地での販売による現地需要と同時にインバウンド需要の取り込みをねらう。
民間企業の調べによると、新型コロナ禍前、2019年の北海道における訪日観光客数は約253万人に上り、全国で上から8番目だった。国別・地域別で見ると、中国、台湾、韓国、香港、タイが多かった。
「アジアの人々にとって北海道はブランド。まずはタイとシンガポールから販売を始める予定だが、販路開拓を地道に進めながら他の国にも販売先を広げていきたい」とエル・エスコーポレーションの幹部は話す。
同社がアジア市場で販売する機能性表示食品のサプリメントは、北海道産の食用キノコ、タモギタケの抽出物に含まれるアミノ酸の一種で、強い抗酸化作用を持つとされるエルゴチオネインを機能性関与成分にした『まるごとタモギタケ』。届け出たヘルスクレーム(表示しようとする機能性)は、「本品にはエルゴチオネインが含まれます。抗酸化作用をもつエルゴチオネインは継続的な摂取により、中高年の方の記憶力(人や物の名前などを記憶し、後から呼び起こす能力)及び注意力(物事に対して注意を集中して持続させる能力)を維持する機能があります」。
機能性表示食品の強み「アジアでも発揮できる」
表示できる言語は日本語に限られるものの、商品に含まれる成分の有用性を商品パッケージなどに記載できる機能性表示食品の強みは、日本以外のアジア市場でも発揮できると同社は判断した。
そこで、まずはヘルシーDo認定を取得し、「この商品に含まれるエルゴチオネインについては、『健康でいられる体づくりに関する科学的な研究』が行われたことを北海道が認定したものです」という表示を行えるようにした上で、今年4月、消費者庁に機能性表示食品として販売する届出を行っていた。
同商品の製造工程のうち、製剤化(打錠)のみ北海道外の協力工場に委託するが、それ以外は全て、道内の同社グ ループ工場および協力工場で行う。
道内で抽出・精製するエルゴチオネイン含有タモギタケエキスをアジア市場に輸出する取り組みも以前から進めており、今後、最終商品と原材料の両面から、「北海道ブランド」であることをアピールしていく。
【石川 太郎】
(冒頭の画像:北海道食品機能性表示制度=ヘルシーDo=の表示マーク/下の画像:エル・エスコーポレーションが今月12日発売した機能性表示食品であり、またヘルシーDo認定食品でもあるサプリメント「まるごとタモキタケ」。認定マークはパッケージ裏面に)