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全小売事業者一体となった取り組みを JADMA、「送料無料」表示の見直しに関する意見交換会で意見

 消費者庁はきょう(23日)、「第6回『送料無料』表示の見直しに関する意見交換会」を開催した。

 「物流革新に向けた政策パッケージ」(2023年6月2日我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議)において、「送料無料」表示の見直しに取り組むことが取りまとめられた。これを受けて消費者庁では、「送料無料」表示に関する実態や見直しによる影響などを把握するため、運送事業者、荷主事業者などと意見交換会を実施している。

 第6回の今回、(公財)日本通信販売協会(JADMA)副会長の梶原健司氏が意見を述べた。JADMAとしては、物流の下請け配送事業者の地位向上に向け、小売業一体となって取り組みたいとしている。その際、大手プラットフォーマーも含め、市場に影響力のある事業者・関係者の協力が不可欠。送料無料表示を見直すかどうかは事業者の選択に委ねつつ、送料無料表示をやめ適切な物流コスト負担を表示する事業者に、名誉などのインセンティブを与える奨励策も考えられると協会としての意見・提言を説明した。
 また、法規制化を検討するのであれば、「送料弊社(社名)負担」などコスト負担を表示するよう求める規制を設けるなど、全小売事業者を対象に公正な競争環境の整備が必要だと述べた。さらに、政策により下請け配送事業者の地位向上が図られているか結果を確認できるよう、政策の効果を数値検証できる制度を希望すると話した。

 通販は商品を消費者に届けることで成立する。そのため通販と物流は不可分の関係であり、通販事業者としても高騰し続ける物流コストに対応するため、下請け配送事業者の待遇改善への抜本的対策を希望するなど、通販業界が物流業界と問題意識を共有しているということを強調した。また、2017年の宅配クライシス以降、配送各社の度重なる値上げ要請に応じ適切なコストを負担してきた。実際、7月に実施したJADMA会員アンケートによると98%が値上げ要請に応じたと回答したと、通販事業者の対応状況を説明した。

 JADMA会員通販事業者からは、「送料無料とは言え、販売側が費用を負担していることは消費者も認識している。送料無料表示をやめることで解決するとは考えられず、2024年問題の論点は別の所にある」、「物流事業者からの値上げ要請には応じてきた。値上げによる増収分が現場ドライバーに回っていないとすれば、表示の問題よりもそれを改善することが優先課題だ」などのコメントがあったとしている。

【藤田 勇一】

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