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健康食品GMP認証機関が意見表明 巡る検討会、JHNFAとJIHFSからヒアリング

 製造・品質管理をテーマに有識者が議論した第4回「機能性表示食品を巡る検討会」(10日開催)。会合には、参考人として、健康食品GMP第三者認証機関の(公財)日本健康・栄養食品協会(JHNFA)と(一社)日本健康食品規格協会(JIHFS)が呼ばれ、それぞれ原材料を軸に、サプリメントの安全性と品質の向上に向けた意見を述べた。

原材料を軸に、サプリの安全性・品質の確保向上を

 JHNFAの増山明弘健康食品部長は、同協会が認定した健康食品GMP適合工場の件数推移を紹介。2005年の認定開始以来、認定件数が年々増加している中で、近年、従業員30人未満の中小規模製造工場の新規認定が増加傾向にあると伝えた。

 ただ、課題もある。サプリメントは、最終製品の製造、原材料の製造、そして包装を、それぞれ異なる事業者が手掛ける場合が非常に多い。その中で、健康食品GMP認定工場の割合は、最終製品製造工場(製剤)に対して原材料工場が少なく、バランスが取れていない。具体的には、今年2月時点で製剤は137工場が認定を受けているのに対して、原材料は16工場にとどまるとした(製剤と原材料の両方は24工場)。

 増山氏は、「製剤・包装工程はGMPによる製造・品質管理が浸透している。原材料の製造工程はまだ不十分だ」と指摘し、最終製品だけでなく、原材料の製造工程に関しても、事業者の実行可能性を伴うGMPを国として推奨することが望まれると意見した。

JIHFS、輸入原材料GMP認証を近く開始へ

 JHNFAは健康食品GMP工場認定の他に、行政通知を踏まえ、原材料の安全性に関する自主点検認証も行っている。サプリメントに使用する原材料の安全性について、事業者が自主点検した内容を専門家が審査し、問題なければ認証して登録する、というもの。ただ、原材料は最終製品の基盤となるものの、近年の現状は、「認証取得者の辞退が多く、新規認証が少ない」とした。

 一方、増山氏と共にヒアリングを受けたJIHFSの池田秀子理事長はヒアリングの中で、今年3月発出の最新の行政通知(令和6年通知)に基づく原材料の安全性自主点検認証を、JIHFSとしても開始する予定を明らかにした。国内製造及び輸入原材料を対象にするという。

 JIHFSはまた、サプリメントの原材料を多く占める、輸入原材料の安全性と品質を客観的に担保するため、2015年に作成していた「輸入原材料GMP規範」に基づく輸入原材料GMP認証を間もなく開始する予定だ。池田氏がヒアリングの中で明らかにした。「国内に入荷した製品について必ず分析し、同一性の確認試験をしていただくことを1つの特徴にしている」という。JHNFAは、輸入原材料事業者を対象にしたGMP規範を今のところ設けていない。

 池田氏はヒアリングで、原材料GMP認証の実績がある日本は「他国に先んじている」とした上で、原材料GMP認証を推進することで「最終製品の安全性と品質確保をより確実にできる」と主張した。また、原材料GMP適合工場は、最終製品製造工場などが行うべき「原材料サプライヤー信頼性評価」(必要に応じて監査を行うこと)を割愛できる他に、最終製品製造時の原材料受け入れ検査データの1つとして、当該サプライヤーが提出するロットごとの試験データを使用することも可能になるといったメリットがあることを訴えた。

製造・品質管理めぐる業界団体などの意見

 機能性表示食品のサプリメントの製造・品質管理をめぐっては、検討会のこれまでの会合でもヒアリング対象団体が意見を述べている。健康食品業界団体の(一社)健康食品産業協議会は、「原材料製造におけるコンタミ(コンタミネーション)防止対策強化のため、原材料の出荷検査、受け入れ検査の強化を提案する。国の協力を得ながら、cGMPを目指し、国際的な調和を目指す」と今後に向けた抱負を示した。

 (公社)日本通信販売協会は、「原材料受け入れを含む重点管理項目を明確にして、法令に基づくGMPを段階的に導入すべき。国が具体的な基準を示し、製造・管理・運用に責任感・緊張感を持たせる仕組みが必要」と意見。消費者団体のFood Communication Compass(FOOCOM)は、「サプリメント形状の加工食品について、GMPに基づく製造加工管理を義務化するだけでなく、原材料の高度な品質管理や安全性の自主点検を求めるルールをガイドラインに盛り込んで欲しい」と訴えている。

【石川 太郎】

(冒頭の画像:検討会のヒアリングに応じるJHNFAの増山健康食品部長/文中の画像:上からJHNFAによる健康食品GMP製造所認定件数の推移、JIHFSによる安全性・品質確保の向上に向けた提案。いずれも検討会第4回会合で公開された参考人資料から)

関連記事:巡る検討会、GMP導入を議論 有識者の意見一致、サプリは義務化すべき
    :GMPはなぜ必要なのか JIHFS、池田理事長に聞く

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