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健康食品と医薬品の併用で5人死亡

<イチョウ葉と抗てんかん剤の併用で死亡>

 (国研)医薬基盤・健康・栄養研究所がこのほど公表した調査研究の結果から、医薬品と健康食品の併用によって、5件の死亡事例が発生したことがわかった。死亡事例には、健康食品そのものが原因と見られるケースも含まれている。

 調査は、2017年8月までに同研究所のサイトで公表された「特に注意が必要な薬を使用中の患者が健康食品を併用して有害事象を生じた71人の事例」を対象に実施。症状の重症度を「グレード1(軽微な副作用)」、「グレード2(中等度の副作用)」、「グレード3(重篤な副作用、死亡または日常生活に支障をきたす永続的な機能不全の恐れがある)」の3段階に分類し、それぞれに該当する事例を調べた。

 調査の結果、71人の患者の90%で何らかの症状が見られた。その半数が最も症状の重い「グレード3」に該当、死亡事例の5件も含まれていた。

 発生件数が多く重症度が高い症状は、肝障害、精神神経系障害、代謝・電解質異常だった。医薬品の薬効分類別で見ると、発生件数が多いのは血液凝固阻止剤、抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、抗不整脈用剤など。重症度が高いのは抗てんかん剤、抗悪性腫瘍剤、抗不整脈用剤などだった。

 医薬品と健康食品の相互作用が原因と判断された事例のうち、16人が「グレード3」に該当。具体的に見ると、抗てんかん剤についてはキトサン(てんかん発作)、イチョウ葉(てんかん発作で死亡)、ノニ(肝障害)など。抗悪性腫瘍剤についてはアロエベラ(低カリウム血症)、エキナセア(てんかん様発作など)などの事例がある。

 また、血液凝固阻止剤ではクランベリー(消化管・心嚢出血)、海藻とクマザサ(大腿動脈塞栓症、トロンボテスト値上昇)など。精神神経用剤では、セイヨウオトギリソウ(統合失調患者の精神症状の悪化)などが報告されている。

<健康食品自体が原因、アガリクスやレイシによる死亡も>

 医薬品との相互作用ではなく、健康食品そのものによる有害事象の可能性がある症例は29人に上った。

 そのうち最も重い症状の「グレード3」に該当する事例に、アガリクス(劇症肝炎による死亡)、レイシ(劇症肝炎による死亡)、メリロート(重度の肝機能障害)、ルイボス(肝障害)、スピルリナ(肝障害)、カンゾウ(高血圧・低カリウム血症)、ビタミンD(高カルシウム血症)、キャッツクロー(急性アレルギー性間質性腎炎)などが挙がった。

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