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九州の通販市場を展望する~ウィズコロナへ向けた新たな挑戦始まる(前)

 かつて通販王国と呼ばれ、成長を続けてきた九州通販。近年は、テクノロジーの進化によるECの拡大で新規参入組に押され、これまでの販売戦略の見直しを余儀なくされ、なかには業績が足踏みする通販会社もある。そこに来てコロナウイルスの感染拡大。なかには通販の強みを生かし、業績を伸ばした企業もあるが、度重なる豪雨とコロナに見舞われ、農水産物の基盤基地といわれる九州エリアのダメージは少なくない。ウィズコロナ・アフターコロナの対策など、企業の動きを中心にレポートした。

<ECの拡大にともない失われゆく「九州」の個性>

 九州の健康食品通販は、大手も含め単品通販が多く、それぞれが独自に強い商品を中心に個性豊かな販売戦略を打ち、全国区へと成長を遂げた。そこには、創業者の個性を際立たせ、良くも悪くもトップダウン方式で、強いメッセージを発信してきたという背景がある。
ECの拡大による異業種からの新規参入や、大手食品メーカーの通販市場への参入など、全国にライバル企業が増加したことで競争が激化。これまでの個性的なテレビショッピングやカタログ・チラシなどの、いわゆるオフラインでの販売戦略だけでなく、ウェブ広告を中心としたオンライン戦略など販売戦略の多様性も求められるようになった。そうした背景もあり、その個性という企業色が薄まってきていると指摘する声が聞かれた。

 ある通販事業者は、販売する商品に関して、「機能性表示食品という全国同一の機能性にスポットを当てた商品が新規商品投入のメインになるなか、九州各社の個性が無くなりつつあると感じている。ここで今一度、その企業の“社会的存在価値=個性“とは何かが問われている気がしている」と話す。別の通販事業者からも、「個性こそが、東京などの企業と対抗して九州の地場でも生き残っていく術(すべ)」という声が聞かれた。「情報量やスピードでは、東京の事業者には勝てない。もう一度、九州ならではの商材やサービスを展開することが、今後の生き残りのカギ」という声もあった。

<模索する通販企業 地域貢献型へシフト>
 九州通販らしさの復活が求められるなか、九州拠点だからこその活動を行う動きも見られる。黒酢やにんにく、青汁関連商品を展開する㈱えがお(熊本市東区)は、健康スポーツイベントの支援や健康知識の普及活動に積極的に取り組む。1万4千人ものランナーが参加する熊本県最大の健康スポーツイベントである「熊本城マラソン」や、小さい子供から年配者まで、県内外から約1,200人が参加するウォーキングイベント「南阿蘇健康さくらウォーク」などのスポンサーを務める。また、災害ボランティア活動にも積極的で、2016年の熊本地震では、本社ロビーを避難所として開放。今年7月の豪雨災害では、被災者支援の一環として、物資支援と社員有志によるボランティア活動を行った。今後の活動について担当者は、「時間の経過とともに支援の内容は変わってきているが、当社として出来得る限りの支援は続けていきたい」と話す。

 ヘアケアに特化した商品を販売する通販企業の㈱ユーピーエス(福岡市中央区)は、100年の歴史を持つ酒蔵の美少年酒蔵と共同で、アルコールハンドスプレー『Mistgram60』を開発した。同社の本多社長は、「九州に拠点を置く当社として、同じく九州の熊本の美少年酒蔵さんと取り組むことで、微力ながら九州への地域貢献と、魅力発信を手助けしたいという思いから商品開発に至った」と話す。

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