1. HOME
  2. 健康食品
  3. 中日本カプセル、製剤技術で特許出願 二酸化チタン不使用の遮光性ソフトカプセル開発

中日本カプセル、製剤技術で特許出願 二酸化チタン不使用の遮光性ソフトカプセル開発

 主にソフトおよびハードカプセルのサプリメントの受託製造を手がける中日本カプセル㈱(岐阜県大垣市、山中利恭社長)が、ソフトカプセルに遮光性を付与するため被膜に添加する二酸化チタンの代替技術を開発し、特許出願を行った。

炭酸カルシウムやエリスリトールで代替

 光に不安定な成分をソフトカプセルに充填する場合、二酸化チタンやカラメルといった着色剤を添加することで遮光性を付与して内容物の劣化を防ぐ。それら従来から利用されていた物質ではなく、炭酸カルシウムやエリスリトールの性質を活用することで、ソフトカプセルに遮光性を与えられる技術を発明した。

 「安全性への懸念をクリアするための代替技術」。同社は今回発明した技術をそう説明する。二酸化チタンを巡りEU(欧州連合)は今年、食品への添加を禁じる新規則を施行したためだ。8月8日以降、二酸化チタンを含有する食品はEU域内で流通できなくなっている。ただ、カナダでは、ヒトの安全にとって懸念すべきものであると結論づける科学的な根拠は現時点では見当たらない、とする見解を保健省が示しており、見方が割れている。

 現在、同社が特許出願中の遮光性ソフトカプセルは、「Caホワイト(カルホワイト)」と「ECryホワイト(エクリホワイト)」の2つ。前者は、栄養強化剤および製造用剤として用いられる食品添加物の炭酸カルシウムが持つ「白さ」と「難溶性」の性質を生かしてソフトカプセル被膜に遮光性を与えたもの。一方、後者は、甘味料のエリスリトールの結晶化しやすい性質に着目したもので、その結晶を被膜に析出(せきしゅつ)させることで遮光性を付与する。いずれの物質も「古くから馴染みが深い食品添加物、食品であるため、安全性に関する懸念なくソフトカプセル被膜に配合できる」と同社は話す。

「噛むソフトカプセル」技術も特許出願

 同社は今年、製剤化技術に関する特許を計4件出願した。遮光性ソフトカプセルの他に特許出願したのは、ハードカプセルの新しい摂取方法として技術開発に成功し、すでに特許を取得(第6270543号)している「噛むハードカプセル」(製品名:ガムセル=同社の登録商標)をソフトカプセルに応用させる新技術。この技術について同社では、「ソフトカプセルの新しい摂取方法として提案していきたい。ガムの製造は大ロットである場合が一般的だが、サプリメントならではの小ロットから製造できる点も魅力になると思う」としている。
 
 これまでに同社が開発したオリジナル製剤技術(特許技術)に基づくカプセルとしては、腸溶性ソフトカプセルの「ISカプセル」、耐熱・耐湿性を大きく高めた付着防止ソフトカプセルの「Pカプセル」──などがある。「お客様の要望や悩みに応える」ために技術開発を進めてきた。今後も、「他社製品との差別化、新しい付加価値の追求、現状の機能改善など、さまざまな観点から課題をクリアできる技術の研究開発に務める」という。

 なお、同社は今月12日から14日まで都内で開催される展示会「食品開発展」に出展し、今年特許出願した4つの製剤技術を発表する。「今までにない商品を 新たな製剤技術のご紹介」と題し、13日11時半からプレゼンテーションセミナーも行う。

(冒頭の写真:カプセル外観比較写真。左から二酸化チタン着色皮膜、中日本カプセルが開発したCaホワイト、同ECryホワイト。同社提供)

<COMPANY INFORMATION>
所在地:岐阜県大垣市荒尾町229-2(本社工場)
TEL:0584-93-1013
URL:https://www.nakanihon-cap.co.jp/
事業内容:健康食品・サプリメントの受託製造と各種包装
中日本カプセルが運営する「バーチャル工場見学」サイトはこちら

関連記事:ゼラチン残さをアップサイクル 中日本カプセル、SDGsに取り組む

TOPに戻る

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

INFORMATION

お知らせ