ユニアル、連続テレビ小説が追い風に 機能性研究積み上げ、ペット向け訴求本格展開
㈱ユニアル(東京都板橋区、原高明社長)は、クマ笹のパイオニア企業として1945年に創業、2005年に設立し、今年19年目を迎えた。機能性表示食品の他にも、地域に眠る機能性素材を全国で発掘し、地域貢献などSDGs実現している。クライアントのニーズに寄り添ったマーケッティング手法を追求しつつ、独自の原料・OEMメーカーを目指す。
クマ笹の開花は吉兆、好循環もたらす
同社にとって昨年はうれしい年となった。植物学者・牧野富太郎博士をモデルにしたNHK連続テレビ小説が放映され、同社が取り扱うクマ笹もスポットを浴びた。「牧野富太郎は笹をはじめとする我が国の植物分類学の草分け。植物を学ぶ人にとって最も知っておかなければならない重要な学者」と自らも博士号取得を目指す原英郎副社長は眼を輝かす。また、昨年は北海道のクマ笹が一斉に開花した年でもあった。道内新聞・テレビが報じたことで、同社のクマ笹も脚光を浴びることとなった。
「120年に一度しか咲かないと言われている笹の開花は吉兆のしるし」と同氏。諸説あるものの、「♪会津磐梯山は宝の山よ♪笹に黄金がなりさがる」という村民の飢饉を救ったという民謡も存在する。しかし一方、昨年は開花した笹が一斉に枯れるという異変もあり、「国産の原材料を扱う事業者にとって、原料供給を安定させることの大切さを学んだ年でもあった」(同)という。
主力商品である「クマイザサ粉末」は北海道産の天然クマイザサ葉を乾燥・殺菌・粉末化した原料で、食物繊維を豊富に含み、アミノ酸バランスに優れた特徴を持つ。独自製法で抽出した「クマイザサ濃縮エキス」は多糖類やフィトケミカル類を豊富に含み、ドリンク・ゼリーなどで使用が広がっている。
クマイザサ粉末を使用した青汁商材は、新型コロナ禍に再注目され、新規採用や既存商品のリニューアルが増えるなどの伸長を見せ、終息後も顕著に右肩上がりを示している。「クマイザサ由来ホロセルロース」を機能性関与成分とした機能性表示食品『クマ笹青汁』(届出番号:F1017)、『クマ笹青汁SR(えすあーる)』(同G591)は、「機能性表示として便通だけでなく、便臭改善もヘルスクレームとして書くことができるため、興味を持っていただくシチュエーションが増えた」とし、「味の面でも抹茶に近い豊かな香りがあるので、機能性だけではなく、美味しさの面からも高く評価されている」という。
「大雪乳酸菌®」セット提案で供給量伸ばす
クマ笹由来の乳酸菌(大雪乳酸菌®)の提案も積極的に進めている。北海道の大雪山系に自生するクマ笹から採取した乳酸菌で、菌数は1g当たり5,000億個を規格化。「笹には笹の乳酸菌」として、クマ笹青汁への配合を提案することで、乳酸菌も順調に供給量を伸ばしている。
昨年、動物試験の経口摂取によるIgA(免疫グロブリンA)抗体量の増加を確認した。その後さらに、ガラクトオリゴ糖との併用で、腸内の単鎖脂肪酸の増加について動物による評価を行った。「単鎖脂肪酸は腸内環境のpHを下げることで、健常を維持する機能性があるとされる。糞便中のいわゆる腐敗産物を抑制するということが裏付けされた」という。
今年トライする新たな挑戦として、クマ笹濃縮エキスをペット向けの原料として提案を強化する。すでに4月4日~7日まで開催された「インターペット2024」に出展し、ペット向け口腔ケアスプレーなどの提案を行った。今後もストレス緩和など、ペットの生活習慣改善に向けた試験データを積み重ねていく方針。「引き続き新しいデータも取得しながら、多角的な機能性を持つクマ笹原料シリーズの提案を進めていきたい」と意気込む。
地域に眠る機能性素材も発掘
同社は、地域に眠る機能性素材を全国で発掘し、地域貢献を実現している。AGEsの生成抑制・分解作用が期待できる山形・新潟産紫菊花(粉末・エキス)。コンブ科の海藻抽出物である青森県産ツルアラメ(エキスパウダー)は、α-グルコシダーゼ・膵リパーゼ阻害により糖質・脂質の吸収を抑制する。他に北海道産オオイタドリ若芽(エキスパウダー)など多くの国産素材を展開中だ。
<COMPANY INFORMATION>
所在地:東京都板橋区仲宿63-10(本社)
北海道札幌市北区北21条西11丁目
北海道大学 北キャンパス総合研究棟内
(北海道生物資源イノベーションセンター)
TEL:03-5248-7566
URL:https://www.unial.info
E-mail:info-unial@unial.co.jp
事業内容:健康食品の原料販売、OEM受託
(冒頭の写真:クマイザサ)