ミナト製薬、最後の債権者集会に40人 予想破産配当率は8~9%、来年2~3月に通知
今年1月から破産手続きが続いている、ミナト製薬㈱の3回目の債権者集会が20日、東京地方裁判所中目黒庁舎で開かれた。出席した債権者によれば、約40人の関係者が参集し、大きな混乱もなく30分程度で閉会したという。破産管財人は、「今回をもって換価業務は完了した」とし、今後配当業務に入ることになる。予想配当率は8~9%となる見込みだ。取材に対し破産管財人の縣俊介弁護士は、「集会は今回が最後」と話した。
第2回債権者集会後に行われた主な管財業務は、「在庫商品・原料・資材等」の売却で6,201万7,740円、「機械」の売却では将来的に10万円の入金を予定している。
栃木県那須塩原市にあるミナト製薬の那須工場は、金融機関が根抵当権を設定しておりオーバーローン状態にある。
取材に対して破産管財人は、「3カ月募集して買い手が現れなかったら順次値下げして市場に出した結果を受けながら、値下げしていく方向で活動を続けてきたが、売却希望価格と購入希望価格の折り合いがつかずに現在に至った」という。「担保権者は、破産手続きが終わった後に、ゆっくり売るということを決断したため、年内に不動産を放棄する」(同)とし、28日頃に不動産放棄の許可申請を行う予定のようだ。
また、工場に残置された賞味期限切れの商品などは、破産財団から947万4,960円を支出して産廃処理を行っている。
労働債権はすでに全額支払いを済ませている。優先的破産債権として労働者健康安全機構が立て替えていた2,840万2,552円についても、「今回、全額支払う」(同)という。
届出破産債権総額13億7,386万9,115円のうち、前回、認めないとの認否が行われた1,206万5,954円分については理由を説明したところ、債権者からの債権査定手続きの申し立てもなく、「確定した」としている。
収支計算書によると、財団の資産は1億94万4,486円。さらに消費税の還付金約1,940万円を見込んでおり、遅くとも来年3月中旬に送金される予定で「確度はかなり高い」(同)という。
今のところ、弁済原資は5,766万5,247円、一般破産債権は6億3,788万2,486円~6億9,588万2,486円の間で推移。消費税の還付額や金融機関の対応次第で多少の変動が考えられるが、予想破産配当率は約8.29%~9.04%を見込んでおり、来年2月末~3月末頃の配当通知を予定している。
【田代 宏】
(冒頭の写真:東京地方裁判所中目黒庁舎)