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ペット用サプリで初の措置命令 「白内障が改善する」根拠なし

 サプリメントを摂取させれば犬の白内障が治癒するかのような表示を行っていたとして、消費者庁と公正取引委員会は14日、㈱バウムクーヘン(福岡市中央区、末吉将志社長)に対し、景品表示法5条1号(優良誤認表示)に違反するとして措置命令を行った。ペット用サプリでは今回が初めての処分となった。

 「わんちゃんライフ」というブランドで販売しているペット用サプリの1つで、「アントシアニン」「ルテイン」、「アスタキサンチン」などの目に良いとされる成分を配合した『アイズワン』という商品の表示が問題になった。

 同社は、少なくとも2022年6月8日~8月25日までの間、自社ウェブサイトや「愛犬と満喫ライフ」と称するアフィリエイトサイトなどで、白濁した犬のイラストや犬の写真、獣医師のイラストやコメントなどを挿入した漫画で、白内障の犬が『アイズワン』を摂取することで、白濁した瞳が改善しキラキラした瞳を取り戻すことができるかのような宣伝を行っていた。

 同社の末吉社長は取材に対し、「再発防止に向けて、社内コンプライアンスの意識の向上と、広告のガイドラインの見直し、チェックの管理体制を進めていきたい」とし、消費者庁からの指摘を真摯に受け止める姿勢を見せている。

 ペット向けは大丈夫という誤解もあり、ペット用サプリはこれまでも行き過ぎた表示が問題にされてきた。2019年に「がん予防」をうたったペット用サプリを販売したとして、薬機法違反で摘発されたケースもある。医薬品医療機器等法では医薬品について、「人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物」(2条3項)と定義している。また66条では医薬品などの誇大広告の禁止、68条では承認前の医薬品の広告の禁止が規定されている。
 ペット用サプリメントは医薬品ではないため、医薬品的な効果効能を標ぼうすることはできない。製品のパッケージやチラシ、インターネットにおける宣伝広告などもすべて違法な表示とみなされる(ペットフード協会)。

 消費者庁は今回、特にペット業界に的を絞った処分ではないと話しているが、ペット市場が拡大傾向にある中、今後もペット向けの虚偽誇大表示に対する監視は強まりそうだ。

【田代 宏】

(冒頭の写真:消費者庁の発表資料より転載)

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