ファーマフーズ、今期700億円突破へ 通販事業で100億円積み増す計画
前期(2022年7月期)の連結売上高が目標の600億円を突破した㈱ファーマフーズ(京都市西京区)。今期は前期比18%増の710億円を目指す。化粧品やサプリメントなどの通販事業で約100億円を積み増す計画。成長分野への積極投資を進め、4年後の26年7月期に1,000億円の大台に乗せる。そのために売上高平均成長率20%以上を実現させるという。
成長分野に積極投資 今期、広告宣伝に450億円
ファーマフーズは21日、前期決算説明会をオンラインで開催。金武祚社長は「機能性食品、化粧品、医薬・創薬に積極的、戦略的な投資を行う。ヘルスケア市場でのリーディングカンパニーを目指す」と述べた。
前期の連結業績は、売上高が21年7月期比29%増の602億円と目標の600億円をクリア。通販事業(BtoC事業)の売上高は同19%増の518億円と500億円を突破した。
前期のBtoC事業では、広告宣伝費として約350億円を投資。結果、定期顧客件数が100万件を超え、主力商品の育毛剤(ニューモ)で280億円の売上高を計上しつつ、2ケタ億円の実績を弾き出す商品が複数、創出された。完全子会社化に伴い第2四半期から連結対象に加わった明治薬品㈱の機能性表示食品『シボラナイトGOLD』は32億円。化粧品関連でも、まつ毛美容液で28億円、エアカラーフォームで33億円の売上高をそれぞれ計上した。
今期(23年7月期)のBtoC事業では620億円の連結売上高を目指す。前期比約100億円増を目標に掲げた格好だ。広告宣伝費についても前期を約100億円上回る450億円前後を想定。「チャンスがあれば投資額は大胆に変更していく」といい、想定を超える広告投資も視野に入れている。
サプリ原材料販売などBtoB事業、海外市場開拓を強化
今期の連結売上高目標は前期比18%増の710億円に据えた。営業利益は同10%増の12億円を見込む。機能性食品向け原材料の販売などを手がけるBtoB事業の売上高については86億円と想定。今期以降、海外販売を強化する計画で、以前から展開している米国、中国に加え、「今後市場拡大が見込まれる東南アジア地域での展開に注力する」としている。安定供給のため、主に東南アジアでの生産体制の構築も進めたい考えだ。
BtoB事業の前期の売上高は183%増の約80億円だった。明治薬品による医薬品受託製造事業、ドラッグストアでの医薬品や健康食品などの販売事業が業績拡大に大きく寄与した。一方、機能性食品向け原材料の売上高を製品別にみると、機能性表示食品の機能性関与成分としての届出件数も多い主力の「ファーマギャバ(GABA)」は12億7,100万円と、前期の13億4,800万円から減少した。ただ、北米と中国に関してはそれぞれ増収を確保。今後、海外市場での販売を強化したり、自社ブランド最終製品の開発、販売を加速させたりすることで、売上高100億円を目指すとしている。
【石川 太郎】