ビルベリーエキスによる目の毛様体筋収縮改善を確認
(株)オムニカ(静岡県裾野市、高尾久貴代表)は、ビルベリー抽出エキスの12週間の飲用により、ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験(RCT)で目の毛様体筋収縮が改善されたという研究成果が、学術雑誌「Nutrients」(2020年2月25日発行)に掲載された。ビルベリーエキスは目の悩みに対する効果が知られているが、今回はCONSORT2010声明に準拠した検証試験という。
<PC・スマホ使用による目の筋肉疲労>
【目的】パソコンやスマートフォンなどのVisual display terminals(VDT)機器使用の常態化により、我々の目は日々酷使されている。VDT機器を長時間見続けると、目の筋肉が凝り固まり、ピント調節がうまくできなくなるという老眼に似た症状が、若者でも現れることがある。このことから、目の疲労の予防・軽減は、生活の質向上のためにも非常に重要であると考えられる。
Vaccinium myrtillus L.(一般名称:Wild Blueberry、Bilberry)果実が含有する15種類のVaccinium myrtillus Anthocyanin(VMA)を果実から分離精製したエキスは、原料のVaccinium myrtillus果実を喫食するよりも、食品の三次機能をさらに意図的に制御した機能性食品の成分として活用されてきた。
本研究が実施されるまで、ビルベリーエキスの効果を結論づけるためにCONSORT2010声明の適格要件を満たした研究は報告されていない。これまで、この研究グループが先行評価を行ってきた多数の臨床試験の結果から、統計学的根拠を設置した被験者数での有効性の確認、およびビルベリーエキスの長期間摂取による有効性の減弱作用の有無、長期間摂取時の安全性の確認を目的として、ビルベリーエキス含有食品の12週間摂取によるランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間試験(RCT)を行った。
<試験はCONSORT2010声明に準拠>
【方法】被験者は、20歳以上60歳未満の健康な日本人の男女109人。プラセボまたはビルベリーエキス240mg含有食品のどちらかを1日1回1カプセル、12週間摂取させた。
眼検査は、オートレフケラトメーターARK-560A(ニデック社)に搭載した眼調節機能解析ソフトウェアAA-2(ニデック社)を用いて、調節微動高周波成分の出現頻度(High Frequency Component:HFC)を測定した。
HFC値は毛様体筋の震えによって生じ、過剰な負荷がかかると上昇することが確認されている。また、自覚的な目の疲労感と専門的かつ十分に相関しており、眼疲労の評価に広く用いられている。HFCの測定は、介入開始の当日である摂取0週目、4週目、8週目、12週目のVDT作業負荷前および負荷後に行った。
評価アウトカムは、各被験者の最低屈折値から-0.75Dまでの範囲をHFC-1領域とし、HFC-1領域のフラクションにおけるHFC値の平均値であるHFC-1値とした。
<作業後の毛様体筋の調節緊張を抑制・緩和>
【結果・考察】結果は、摂取0週目のVDT作業負荷後を共変量としたとき、摂取8週目と12週目の負荷後HFC-1値で、プラセボ群よりもビルベリーエキス群のHFC-1値が有意に低下した。
ビルベリーエキスの有効性臨床試験として初めてCONSORT2010声明に準拠した研究によって、ビルベリーエキス240mgを12週間継続して経口摂取することで、VDT 作業や近見作業などによる毛様体筋の調節緊張を抑制・緩和させることが示された。
論文名:「A 12-Week-Long Intake of Bilberry Extract (Vaccinium myrtillus L.) Improved Objective Findings of Ciliary Muscle Contraction of the Eye: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Parallel-Group Comparison Trial」(論文作成:同社営業開発本部の岩田暁美氏)
<COMPANY IMFORMATION>
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