＜矢島新理事長、「業界の健全な発展に資するための取り組みを」＞

　（公財）日本健康・栄養食品協会（JHNFA）の理事長に就任した元厚生労働省健康局長の矢島鉄也氏は10日のメディア懇談会で、「下田前理事長が牽引してきたさまざまな事業をさらなる健康食品業界の健全な発展に資するため、積極的に取り組む」と抱負を述べた。

　矢島理事長は今年度の新規事業を説明。特定保健用食品（トクホ）公正競争規約や個別審査型JHFA制度の運用開始、OEM部会の設置などの9事業を挙げた。

　トクホの表示に関する公正競争規約については、消費者庁と公正取引委員会が6月24日に告示。今後は施行規則を認定する予定だ。一方、トクホ公正取引協議会準備委員会事務局は公正取引協議会の設立総会を8月27日に開催し、運用を開始する。運用基準の一般公開は未定としている。

　JHFA制度については、従来の規格基準型に加えて、個別審査型JHFA制度を導入する。規格基準型で対象とならない素材・成分もカバーする考えだ。個別審査型JHFA制度は、「個別認定合格品」と「健康機能性合格品」の2種類を用意。「個別認定合格品」は、品質規格、製造・加工、表示などを審査して合格した製品を対象とする。「健康機能性合格品」は、健康の維持・健康に役立つ科学的情報と製品品質を審査して合格した製品を対象とする。

　どちらも製品品質と安全性の審査は必須。9月中をめどに申請受付を開始する計画だ。JHNFAでは「トクホや機能性表示食品までは行かないが、きちっとした管理が行われているものについて情報を提供する」としている。

　また、OEM部会の活動開始は近日中を見込んでいる。健康食品製造の受託者側の立場が弱いことから、十分に品質を担保できないといった課題が浮上しているという。そうした課題を洗い出し、改善策を模索する考えだ。

（写真：今後の取り組みを述べる矢島理事長）