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コラーゲン販売量、3年振りに減少 国内原材料メーカー7社、輸出の落ち込みが大きく

 主に肌の健康維持や関節ケアを目的にしたサプリメントや機能性食品の原材料に使われるコラーゲンペプチドの国内市場規模が2023年度は伸び悩んだ。2年連続の拡大を経て、踊り場に差し掛かったようだ。業界関係者からは、新しい用途などの開拓を進める必要を指摘する声も上がる。

GMJ7社合計6,272トン、前年度比5.6%減に

 ㈱ニッピ(東京都足立区)、新田ゼラチン㈱(大阪府八尾市)、ゼライス㈱(宮城県多賀城市)など国内コラーゲンペプチド製造販売企業が加盟する日本ゼラチン・コラーゲン工業組合(東京都中央区。以下、GMJ)。組合加盟7社の23年度コラーゲンペプチド販売量は合計6,272トンとなり、前年度の6,645トンから約370トン(5.6%)減少した。

 GMJは毎年度、組合加盟企業のコラーゲンペプチド及びゼラチンの販売量を集計し公表している。コラーゲンペプチドの販売量の減少は3年振りだ。

 23年度のコラーゲンペプチド販売量を用途別に見ると、健康食品や美容飲料などに使われる「食用」が5,219トンと前年度比で156トン(2.9%)減少した。また、原材料としての「輸出」は941トンだった。前年度から231トン(19.7%)と大きく減少し、4年ぶりに1,000トンを割り込んだ。

 一方で、「医薬用」は横ばいの80トン、「工業用」は32トンと前年度の18トンから増加。特に「輸出」の減少、そして「食用」の伸び悩みが全体を引き下げる格好になった。

求められる新規用途開発

 しかし3年連続で6,000トン台をキープした。前年度から減少したとはいえ「食用」も3年連続で5,000トン台を維持し、21年度の5,160トンを上回った。ただ、20年度に1,216トンを計上していた「輸出」の落ち込みが大きく、その上で主要用途である「食用」が伸び悩む中では、3年振りのマイナス成長は不可避だった。

 GMJはコラーゲンペプチド販売量減少の要因について、「(減少を)補いカバーする新用途等の開拓が出来なかった。各社、これまでの機能性開発、アピールの継続はもちろんのこと、用途開発が求められつつある」とコメント。海外輸出の減少要因については、国・地域によってさまざま、との見方を示す。

 コラーゲンペプチドの機能性をめぐっては、肌の健康維持や関節ケアの他にも、さまざまな身体部位に対する効果が報告されている。脳神経系や睡眠などへの有効性を報告する論文も出ている。新規用途を開発できる余地は大きいが、知られていない有効性を消費者に伝える方法は限られている。

 GMJのコラーゲンペプチド販売量集計対象企業は、前述の3社の他に、旭陽化学工業㈱(兵庫県姫路市)、㈱ジェリフ(滋賀県野洲市)、宏栄化成㈱(兵庫県姫路市)、㈱トープロ(岐阜県関市)のGMJ加盟国内ゼラチン・コラーゲンペプチドメーカー7社。海外メーカー日本法人などによる販売量は含まれない。

【石川 太郎】

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