1. HOME
  2. 通販
  3. クレジットカード不正使用と転売問題対策で連携(後)

クレジットカード不正使用と転売問題対策で連携(後)

<健康食品・化粧品通販は狙われやすい?>
穂坂 当社のクライアントは、健康食品や化粧品のジャンルが多いのですが、このジャンルは転売のターゲットになりやすいのでしょうか?
青木 絶対的に販売会社数が多いということもあると思いますが、その売り方がターゲットになりやすいということだと思います。いわゆるツーステップモデルと言われる売り方です。その売り方による商品入手のやりやすさと、CtoCサービスの普及により、利用者のハードルが下がったことがその要因だと思います。
穂坂 このCtoC市場は、今後ますます拡大すると思いますので対策は急務だと思いますが、その対策に苦戦する通販会社が多いのも現実です。今ほど転売を含む不正注文が深刻化する以前は、「そこまで手が回らない」、「ある程度は黙認して、目先の売上に注力する」として、不正対策を後回しにする事業者も一定数いました。いまだに、新商品の開発や、LP制作を含む広告宣伝費には費用をかけても、不正対策は二の次という考えもあるようです。優先度が高まり対策はしているとは言え、まだまだ十分な対策が打てていない事業者もかなりいると思います。
青木 不正注文を目視で見つけ、1件ずつ排除しているという事業者もいましたが、受注件数が数百件になってくると、とても追いつきません。グループ企業同士で共同で取り組むという方法もあったようですが、グループとはいえ、購入者から見ればそれぞれ別のショップですので、個人情報保護の観点から現実的ではなかったようです。また、不正の手口も巧妙化していますので、見破ること自体が困難になっています。もうすでに、アナログなやり方では対応しきれませんので、多少の費用はかかっても不正対策への投資は必須だと思います。また、しっかりと対策を行うことで、無駄が省けますし消費者の安心にもつながりますので、結果的には売上増につながると思います。

<両社の価値観の一致から連携が始まった>
穂坂 通販会社にシステムを提案するにあたり、かねてから、不正注文対策に悩む声がありました。そこで当社では、システムの品質向上と顧客満足度向上の観点から、自動的に不正を検知する仕組みを組み込むことになりました。つまり、クライアントのニーズから自然発生的に今回の連携に至ったということです。
青木 当社では、単独で『O-PLUX』を販売するなど、不正検知のコンサルティングを行うケースはあります。ただ、通販会社からしてみれば、不正対策が必須になっている現状では、システムを導入したりアップグレードする際に、あらかじめ不正検知の仕組みが入っていることに越したことはないと思います。また、通販会社は大小合わせて全国に数多くありますので、システム会社と共に取り組むことで、当社単独ではフォローできない通販会社にも提供でき、少しでも世の中から不正な注文を減らすことができるのではないかとの思いから、今回の連携に至りました。
穂坂 購入者が当社システムを採用した通販会社で購入をすると、自動的に不正な注文かどうかを判断し、正規の注文であればOKとして出荷し、不正と判断された注文にはNGとして注文をキャンセル、もしくは他決済方法への誘導を促すという仕組みです。もちろん購入者には、審査されていることはわかりませんし、審査するための手間やタイムラグは生じません。

<不正目的のアフィリエイターが存在する?>
青木 先日、アフィリエイターによる不正注文事案がありました。ターゲットにされたのは、これまで電話やFAXによるオフラインの通販会社で、ECに参入したばかりの事業者でした。手口を簡単に説明しますと、アフィリエイト広告の出稿者自らが複数の人物に成りすまして新規獲得を装い、価格の安い初回限定品とアフィリエイト報酬との差分を利ザヤとして得るというものです。こちらは未払いになることは少ないのですが、適当な住所で発注されるケースがあり、「たのんだ覚えのない商品が届いた」といったクレームが発生しているようです。
穂坂 ASPを介している以上、そのような手口は通用しないのではないですか?
青木 もちろん、正規の方法では通用しませんし、大半の真面目なアフィリエイターはそんなことはやりません。何らからの裏工作による手口です。このような案件は、これから増えるかもしれません。
穂坂 ECの知識も経験も豊富な事業者ですら、不正注文や転売のターゲットにされてしまっているのが現状です。コロナ禍で、通販ビジネスへの業態変化を余儀なくされた事業者も多いと思いますので、経験あるなしにかかわらず、システム会社として通販会社に寄り添い、ともに成長していきたいと思います。ともに知恵を出し合い、頑張っていきましょう。きょうはありがとうございました。
青木 当社も、不正注文に対する経験を基に、通販市場の健全な成長と、消費者が安心して利用できる環境づくりに貢献していきたいと思います。一緒に頑張りましょう、ありがとうございました。

(冒頭の写真:かっこ㈱ 執行役員 O-PLUX事業部 事業部長 青木 泰貴 氏/文中の図:両社の連携イメージ)

(了)
【文:藤田 勇一】

←前

TOPに戻る

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

LINK

掲載企業

INFORMATION

お知らせ