キリンHD、豪州サプリメーカー買収へ 大手のブラックモアズを約1,700億円で
キリンホールディングス㈱(東京都中野区、磯崎功典社長)はきょう(27日)、豪州のサプリメントなど健康食品の製造販売大手、ブラックモアズ(Blackmores Limited)の全株式をおよそ1,700億円で取得し、子会社化すると発表した。
プラズマ乳酸菌、アジア市場への展開加速狙う
中国や東南アジアにも販路を拓いているブラックモアズを買収することで、プラズマ乳酸菌をはじめとする独自素材の展開で拡大させているヘルスサイエンス事業を、対消費者(BtoC)、対事業者(BtoB)の両面から補完、強化する狙い。
株主や現地規制当局、裁判所からの承認を経て、8月にも株式取得を実行し子会社化する予定だ。
キリンHDの発表によれば、ブラックモアズは1932年に創業。『Blackmores』ブランドのサプリメントや粉ミルクを主力としつつ、医療機関向けサプリメント、動物向けサプリメントの製造販売を手がける。サプリメントなど健康食品(ナチュラルヘルス)の製造販売会社として「豪州最大」で、直近決算期間の連結売上収益は6億5,000万豪ドル(約585億円)。2年連続で増加させている。
東南アジアへは1970年代に進出していた。現在、マレーシア・タイ・インドネシア・ベトナム・シンガポールで「高いプレゼンスや消費者からの信頼を獲得」しているほか、2013年には中国市場への進出を果たし、外資系サプリメント企業として「強固な地位を確立」している。近年では、インドなど新市場への展開も積極的に進めているという。
キリンホールディングスは、ブラックモアズをグループ傘下に迎え、同社がアジア・パシフィック地域に拓いた販売チャネルなどを活用することで、免疫ケア機能を訴求するプラズマ乳酸菌のほかヒトミルクオリゴ糖やシチコリンといった独自機能性食品素材の展開加速を狙う。
なお、同社は27日、プラズマ乳酸菌の国内外関連事業の今年1~3月販売金額が前年比で約2倍になったとも発表した。
【石川太郎】