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エビデンス入門(33)
機能性表示食品のガイドライン改正(後)

関西福祉科学大学 健康福祉学部 福祉栄養学科講師 竹田 竜嗣 氏

 Q&Aの改正で追加された問32は、届出全般事項に関するものだけでなく、機能性関与成分の種類ごとに、細かな内容について踏み込んでいる。気になった点についていくつか取り上げて解説する。
 
 「糖類やエキスを関与成分とする場合」については、別立てで説明されているが、分析方法は、バリデーションが取れた方法として、公定法と査読付き論文で公表された方法が例示されている。 一般に、糖類はUV吸収を持たないことが多いことや、多糖類になると、分子量が大きいため、分析方法が容易ではない。誘導体化など一定の前処理を行う必要が出てくる。
最終製品には、機能性関与成分以外の糖類が含有されていることもあり、さらに分析を複雑化させる。

 一般に誘導体化など、含まれる機能性関与成分に化学変化を起こし測定する場合は、他の成分の影響や反応過程の違いにより、全ての物質が変化しない場合もある。
また、エキスでは、混合物であることから、指標成分以外の成分が未知であることも影響し、化学変化が起こりやすくなるという可能性もある。このことから、測定法の選択に当たっては、公定法として決められた方法か、専門家などの査読を経て、分析方法の妥当性について一定の評価を得た方法での測定が望まれている。

 分析方法は、1つではないが、最終製品の剤型により得手不得手が存在する。そのため、糖類やエキスを例示しているが、この2つに限った話ではなく、他の物質についても公定法があればその方法で、もしくは査読付き論文などがあればその方法を使うことで、第3者による分析や検証、測定も容易になる。

 またこのQ&Aには、「由来」の証明方法についても具体例を挙げて解説されている。機能性関与成分の由来の証明方法は、由来が証明された標準品などのクロマトパターンと最終製品を比較し、「由来成分が認められた標準品」固有のピークパターンが含まれることを示す必要があったが、最終製品の場合、他の成分が影響している可能性も考慮し、機能性関与成分が含まれず、その他の成分や量は、最終製品と同じもの(プラセボと呼ばれる)を測定し、由来が証明された標準品のクロマトパターンにあるピークが検出されないことを確認することが例示されている。

 由来の証明については、機能性関与成分が低分子の単一化合物の場合、由来の違いによる機能性の差は一般的に認められないと考えられるが、食品衛生法や薬機法などの規制などにおいて、由来を限定する必要が生じることもある。由来の証明方法をQ&Aで示すことにより、この部分の不備指摘を減らす思惑もあると考えられる。

(つづく)

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