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エビデンス入門(19)機能性表示食品GLの用語解説

関西福祉科学大学 健康福祉学部 福祉栄養学科
講師 竹田 竜嗣 氏

機能性表示食品の届出ガイドラインのうち、軽症者データ関連と、機能性関与成分が明確でないエキス等に関する用語などを解説する。

<鼻目のアレルギー反応>
鼻目のアレルギー反応は、軽症者データの活用以前から機能性表示として存在していた「ハウスダストやほこりによる目や鼻の不快感」に対応した分野。「鼻や目の不快感」と表現されているが、花粉・黄砂の飛散時期に生じる鼻や目のかゆみ、鼻水などの症状を指している。

この領域では「日本アレルギー性鼻炎標準QOL調査票」が用いられる。調査票は、鼻や目の症状の強さ、重症度を重視して作成されている。また、通年性鼻炎や花粉症などの症状はアレルゲンと完全に接触しなければ発症しないが、通常、生活をしている限り、一度発症してしまったアレルギー反応を起こさないようにすることは、現代の医学では難しいとされており、実際の治療も対処療法(症状を緩和する)がメインとなる。

また、各アレルゲンに対する抗体価と呼ばれる血液指標でも評価できるが、抗体価と各個人が生じる症状の強さとは相関性が低いため、生活習慣病のように血液指標で基準を作ることや、病者と境界域の者または健常者を明確に区別することも難しい。そのため、日常生活を送る上での困難度といったQOLを評価し、アレルギー反応の強さを評価することが耳鼻科領域で行われている。

日本アレルギー性鼻炎標準QOL調査票でも「鼻症状」、「眼症状」、「日常生活」、「社会生活」、「睡眠」、「身体」などに分類し、日常生活を送る上での困難度を評価している。機能性表示食品の届出では、鼻炎症状など明確な病者領域の設定が困難な領域について、軽症者と健常者(境界域)を検証事業で検討し、「鼻や目の不快感の改善」についてガイドラインで評価方法が例示されている。

<機能性関与成分が明確でないエキス等>
機能性関与成分が明確でないエキス等の定義が、機能性表示食品の届出ガイドラインで示されている。「機能性の科学的根拠の一部を説明できる特定の成分が判明しているものの、当該特定の成分のみでは機能性の全てを説明することができないもの」と定めている。抽出物自体に機能性があり、いくつかの機能性関与成分が判明しているが、全ての機能性関与成分がわかっているわけではなく、抽出物全体として機能性が担保される(ヒト試験で確認できる)場合と考えられている。

しかし、エキス等が機能性関与成分として認められるためには、複数の指標成分とエキスの定性パターンが明確になっていることが求められる。指標成分は、エキスに含まれる主要な成分であり、定量定性が可能である必要がある。また、機能性についても、作用機序などで説明できる必要がある。

これらの物質が複数必要であり、エキス等で届け出る場合は、指標成分の作用機序を説明し、さらに指標成分を定量することで、エキス等の量的保証を行うことが求められる。

(つづく)

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