イミダゾールジペプチドにMCI改善作用
東京大学の久恒辰博准教授らの研究グループはこのほど、ヒト試験により、イミダゾールジペプチドの軽度認知症(MCI)に対する有効性を確認したと発表した。研究成果は学術誌「nutrients」誌に掲載された。
MCIの50人を対象に、無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験を実施した。無作為に1日当たり750mgのアンセリンと250mgのカルノシンを摂取する群とプラセボ群に振り分け、12週間摂取させた。認知変化の評価は、心理測定テストバッテリー(複数の検査を組み合わせる方法)を利用した。
その結果、グローバル臨床認知症評価法(gloCDR)では、アンセリンとカルノシン摂取群はプラセボ群よりもスコアが改善した。アルツハイマー病の危険因子とされるAPOE4保有の有無で分けて分析したところ、APOE4の保因者でアンセリンとカルノシン摂取群では、プラセボ群と比較して、gloCDRスコアと同様にミニメンタルステート検査(MMSE)でも改善が認められたとしている。