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もはや異常事態、定期購入トラブル相談件数 昨年の1.8倍に

<解約したくても「事業者に電話がつながらない」>

 お試しのつもりで健康食品や化粧品を注文したものの、実際には定期購入だったという消費者相談が今年1~10月までに3万件を超え、昨年同時期の1.8倍に急増していることが12日、(独)国民生活センターへの取材でわかった。

 PIO-NETに登録された相談件数は、実際に発生したトラブルの5%前後と推定され、氷山の一角にすぎない。実際には数十万人に上る消費者がトラブルに遭遇していると推測される。消費者庁や国民生活センターでは、消費者への注意喚起を繰り返し行ってきた。だが、相談件数は増える一方で、もはや異常事態と言える状況だ。

 
今年1~10月までにPIO-NETに登録された相談件数を見る。5月までは毎月2,000件前後を数え、昨年同時期と比べて約20~30%増で推移。6月には前年の2倍に当たる3,155件となり、7月以降は毎月4,500件前後に急増している(グラフ参照)。

 今年1~10月の合計件数は、前年同時期の80.2%増の3万1,893件。国見生活センターが注意喚起を行った際の統計データを見ると、15年度が5,660件、16年度が1万4,314件だった。今年に入ってからの3万1,893件という数は10カ月間の合計であるにもかかわらず、16年度の約2.2倍に当たる。2度にわたる注意喚起、特定商取引法の改正が行われたものの、さらに急増している様子が浮かび上がる。

 国民生活センター相談情報部によると、「特定の事業者に関する相談が急増し、それが落ち着いたとしても、新たな事業者によるトラブルが発生して件数が増えている」。また、購入回数を設けずに随時解約が可能と表示しているのにもかかわらず、解約しようとしても事業者に連絡が付かないケースが増えているという。

 ただし、契約内容や解約条件がわかりにくい点や、事業者に電話がつながらない点は、初めて注意喚起を行った2016年当時から変わっていないと説明している。

<求められる抜本的な規制強化策>

 定期購入トラブルが全国的に急増している状況は、地方自治体の統計結果からもうかがわれる。

 愛知県は11月28日、19年度上半期の消費生活相談の集計・分析結果を公表した。健康食品や化粧品の定期購入トラブルの相談件数は、前年の496件から1,116件に倍増。特に30歳未満の相談が314件に上り、前年の5倍になったという。埼玉県が今月6日に発表した19年度上半期の消費生活相談の概況でも、定期購入に関する相談件数が前年の2倍に急増したと報告している。

 消費者への注意喚起だけでは効果が弱く、景品表示法に基づく行政処分も対応できる件数に限りがある。今のところ“打つ手なし”の状況にあるが、国が手をこまねいている間にも消費者トラブルは増え続ける。消費者利益を守るためには、法・制度上の抜本的な規制強化策が必要との声も聞かれる。

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