「機能性」市場規模、大きく拡大
21年 24%増4,418億円の見込み 脂肪対策関連がけん引
機能性表示食品の2021年市場規模は4,418億円が見込まれるとする調査結果を、マーケティング会社の㈱富士経済(東京都中央区、清口正夫社長)が12日発表した。新型コロナ禍で脂肪対策商品を中心に市場規模が拡大し、前年から約24%の増加が見込まれるという。免疫機能やストレス緩和、睡眠サポートも大きく伸びそうだとしている。
免疫維持、前年比7倍に ストレス・睡眠ケアは47%増
調査は昨年11月から今年2月にかけて実施した。機能性表示食品のほか、特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品の市場規模等も調べ、調査資料にまとめ、販売している。
同社の調べによれば、機能性表示食品の21年市場規模を食品形態別に見ると、サプリメントが1,861億円、明らか食品が342億円、ドリンク類が2,215億円のそれぞれ見込み。前年からの伸び率は、サプリが14.7%増、明らか食品が21.7%増、そしてドリンク類が33.0%増と、いずれも2ケタの増加が見込まれるという。
また、訴求機能別に市場規模を見ると、免疫機能維持が125億円まで拡大する見通し。前年比は7.4倍と予想。同社では、機能性関与成分のプラズマ乳酸菌を展開するキリンホールディングス㈱らの「積極的なプロモーションによる認知拡大によって需要を獲得」したとする。
ほかに、ストレス緩和・睡眠サポートも大きな伸びが見込まれ、前年比47.8%増の365億円が予想される。新型コロナ初年の20年の時点で大幅な拡大が見られていたが、21年の伸び率は前年を13.6%上回りそうだという。
「脂肪」低減については、機能性表示食品とトクホを合わせて1,664億円の見込み。また、生活習慣ケアは、栄養機能食品も合わせて3,433億円が見込まれるとしている。前年からの伸び率は、それぞれ10.2%増、13.7%増と予測。
別の調査では約3,278億円 メーカー出荷金額ベースで
機能性表示食品の市場規模については、㈱矢野経済研究所(東京都中野区、水越孝社長)も調査していて、21年度はメーカー出荷金額ベースで約3,278億円と予測。伸び率については、富士経済よりも小幅にみており、前年度比7.7%増が見込まれるとしている(今年3月発表)。
トクホ市場、「続落」の予想
一方、富士経済はトクホの21年市場規模について、前年から約4%縮小すると予測。金額としては3,086億円が見込まれるといい、機能性表示食品の市場規模を大きく下回る。「機能性表示食品へのシフトが続いていることもあり、(20年に続く)続落が予想される」という。