大幸薬品、24年度第2四半期決算発表 医薬品事業が好調に推移、クレベリン事業も改善へ
大幸薬品㈱(大阪府吹田市、柴田高社長)は15日、オンラインによる記者会見を開催、2024年12月期第2四半期(24年1月1日~6月30日)の連結決算を発表した。
同社は今年度、医薬品事業に収益基盤を構築し、感染管理事業においては業績リスクの最小化と採算性の改善を目指してきた。
売上・利益ともに増収増益
第2四半期の売上高は、前期比14.9%増の28億6,000万円、経常利益、営業利益共に、プラス16.9%、プラス18.5%と増益した。
これは、医薬品事業が好調に推移したのと、販管費が前年比17.3%減と前期までの構造改革の成果が出たものとされる。
セグメント別では、『正露丸』、『セイロガン糖衣A』を中心とした医薬品事業の売上は前期比25.5%増の26億5,400万円。セグメント利益も10億8,600万円(利益率40.9%)の大幅な増収となった。
感染管理事業は損益改善へ
他方、「クレベリン」シリーズを中心とした感染管理事業は前期比45.1%減の2億300万円だったものの、コストコントロールを強化し、損益は2億1,100万円改善した。
業務用および海外向けは既存顧客の売上減少が影響しているが、主力の一般用は
前年同期比で5%増と「減収傾向に底を打ったと考えている」と分析している。
柴田髙社長は、24年1月~6月累計において、「『クレベリン置き型』は前年同期比102%となっており、底打ちが見えてきた。足元で感染症が流行していることから、秋冬の市場の拡大に期待したい」としている。また、冬季マーケティング施策については、衛生意識調査において「受験生家族の除菌意識が高い」とし、受験シーズンに向けて受験生を抱える家庭向けに『――置き型』、『――スプレー』の動画配信などを行い、改めて「クレベリンの商品価値を伝え、衛生対策の一助としていただきたい」と述べた。
通期業績予想に関しては、営業利益1億4,000万円、経常2億3,000万円の上方修正を行った。
デンソーらに対する措置命令の影響なし
同社は会見後、ウェルネスデイリーニュース編集部の質問に対して回答した。
㈱デンソー(愛知県刈谷市、林新之助社長)とその子会社㈱デンソーソリューション(同、新竹敦社長)が販売店を通じて提供していた「車両用クレベリン」の広告表示について消費者庁から優良誤認に基づく措置命令を受けた件について、「影響はない。デンソー社は『車両用クレベリン』の取り扱いをすでに終了している」と回答。
また、大幸薬品の株主である興和㈱が代表取締役会長の柴田仁を訴えたが株主代表訴訟の経過について質問したが、「同訴訟は株主が会長個人に対して提起したものであり、会社として関与していることはないため、大幸薬品としてコメントすべき立場にはない」と回答した。
【田代 宏】
(冒頭の写真:オンラインで発表する柴田高社長)