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エビデンス入門(38) 臨床試験を企画するには(中)

関西福祉科学大学 健康福祉学部 福祉栄養学科講師 竹田 竜嗣

 臨床試験の企画についての連載2回目は、アウトカムの設定について解説していく。

 前回は、試験目的の設定から試験のデザインが大まかに決まる点について解説した。試験のデザインが大まかに決まれば、次は測定項目であるアウトカムの設定について考える必要がある。アウトカムは、機能性表示食品の事後チェックなどでも「主要アウトカム」、「副次アウトカム」のような形で、メインとサブに分けて複数設定することが多い。

 主要アウトカムは、試験の主目的を直接評価できる項目であり、臨床試験の例数設計(試験目的に合致した評価ができる人数を予測し、臨床試験の実施人数を決める)は、この主要アウトカムで計算する。
 副次アウトカムは、主要アウトカムに対して補足する項目であり、安全性の評価を行うために設定するもので、試験の例数設計には考慮しなくても構わないので、試験目的を補足する項目や探索的な評価項目などを設定することが多い。

 薬の評価や疾病の評価などの医学研究では、主要と副次を明確に分けて設定されていることが多く、さらに、エンドポイントとして、摂取期間と観察ポイントを勘案し、評価時点まで含んだ形で主要アウトカムを指定していることがある(例:投与12週間後の診察室における収縮期血圧)。

 機能性表示食品や特定保健用食品における摂取期間の設定は、安全性試験では、前例や特定保健用食品の届出基準などから長期は12週間以上、非摂取期間である後観察期間4週間、過剰摂取では、4週間と後観察2週間などのように基準が示されていることを前回述べた。

 しかし、有効性確認試験の場合は、特定保健用食品の実施例がある場合を除き、試験目的や、作用機序から主要アウトカムを的確に評価できる期間を自ら設定することになる。比較的短期間で評価できるものは短く、作用機序などから機能の発揮に時間を要する場合は、6カ月など長期間の設定が必要なケースもある。ただ単に前例を参考にしただけでなく、試験食品の作用機序を考えて、根拠のある妥当な期間を設定する必要がある。

 一般的に有効性試験の摂取期間の決め方は、効果量が最大になると考えられる期間を設定することが望ましく、例えば12週間程度摂取させる試験は、プラセボと比較した摂取12週後の効果量が最大になると考えて設定している。また、血圧や血液検査値などの臨床検査項目の場合は、摂取用量と摂取期間は、プラセボとの効果差と比例する傾向があるが、被験者の心理状態や制限事項の遵守期間も考慮すると、長期になればなるほど飲み忘れや試験期間中の制限事項不遵守などの発生確率は上がるため、長ければ良いというわけでは無い。

 また、VASなどの主観的評価を含む場合や、日常生活での制限事項や遵守事項が多い場合は、長期間の摂取により、被験者の試験に対する関心や協力への気持ちが薄れ、プラセボとの効果差は減少する傾向がある。そのため、臨床試験の摂取期間は効果が最大になりつつ、試験目的を十分評価できるポイントを設定することが重要である。
                                                      (つづく)

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