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ウィズコロナで通信販売はこうなる!~「STAY HOME」が招いた業界変動を徹底討議(2)

<年商数億円~100億規模の企業も>

 松清 そういう相談をしてくる事業者の本気度や企業規模はどうなのでしょうか。

 加藤 相談が来ている企業の中には、売上100億円を超えている企業が5、6社ありますし、年商数億円規模のリアルビジネスを展開している企業も多くあります。リアルビジネスを閉じざるを得ず、それでも人件費や家賃などの固定費がかかるため、何とか安定した収益を上げていかなければならないと必死です。しかし、単品リピート通販は、広告費など初めにある程度の資本が必要ですし、回収するまでにもある程度の期間が必要です。そうした現実に直面し、あきらめる企業が多いのも事実です。

 松清 相談者はどのような役職の方が多いですか。

 加藤 圧倒的に経営者です。危機感が一番強いのは経営者ですから必然だとは思いますが。

 山本 経営者というより、取締役や部門の責任者からの問い合わせが多くありました。当社の数字で言うと、4月は体制の立て直しなどの影響からか、若干落ち込みました。しかし、ゴールデンウイーク前ぐらいから問い合わせ数が戻り始め、5月の契約件数は増加、6月は過去最高の契約件数を記録しました。なかでも大手企業からの問い合わせが、かなり増えたという実感です。具体的に言うと、卸をメインに事業を行っていたメーカーなどから、卸先の店頭販売がままならず売り上げが減少したため、直販のビジネスモデルを展開したいという相談がですね。また、これまでのメーカーと代理店・販売店の流れをウェブに落とし込んだ、BtoBtoCのビジネスモデルを構築したいという内容も増えました。当社としては2年ほど前から「楽楽BBC」としてサービス提供してきましたが、ここにきてニーズが高まっています。ゼロから起業するというよりも、母体があり、新規業態として立ち上げるという相談が多い印象です。ただ、せっかく販売網があってもECに関する知識や経験が皆無に等しいため、決断に時間がかかってしまい、社内意見がまとまらず失注となるケースもありました。厳しい状況ですが、逆にチャンスとして競合より先に動いていけるかが大事だと感じました。

<ECの売上増、コールセンター型は苦戦>

 松清 異業種ではなく、既存の通販事業者はどのような反応ですか。

 山本 きちんとアンケートを取ったわけではありませんが、売上が下がったとする通販会社さんはあまりないという印象です。横ばいか、伸びているという感じでしょうか。また、既存の通販会社から、これを機に自社の通販ビジネスを見直し、カートやシステムを一新したいという相談もあります。中長期を見据えた既存ビジネスの見直しも進んでいるように感じます。ある大手事業者によると、海外からの並行輸入品が減り、その分正規の商品が正規の価格で売れるようになり、結果的に売り上げが伸びたというケースもありました。また、IT導入補助金が導入されましたが、今回、その申請期限が延長になりました。そうした影響もありますので、当社としては業績の先行きは明るいです。

 松清 広告や新規立ち上げは好調なようです。その後の顧客管理やフォローなどについてはどうでしょうか。

 北川 ECの受注件数が増えているため、より一層の顧客管理・フォローの重要性が増しているようです。実際に、当社への問合せ件数に関しても1月・2月と比較すると、1.7~1.8倍となっています。一方で、コールセンターを活用して販売する通販事業者さんに関しては、オペレーターの稼働率の問題もあり苦戦しているようです。

 松清 在宅率が高まり、一見、効率が上がっているようにも感じますが、センター自体の3蜜対策やオペレーターの出勤率の問題で、架電数が落ち結果的に売り上げが落ちているということですね。

 北川 少しずつ改善してはいるようですが、完全な状況とまでは程遠い状況です。当初8月から9月ぐらいには戻る予想をしていましたが、ここにきて感染者数が増加傾向にありますので、完全に回復させるのは当面難しいと思います。そのため、EC化率は進んでいるように感じますが、「コロナの影響でCRMを強化したい」とはなっていません。ただ、「ECの売り上げが伸びている=顧客が増えている」ということですから、当然ながら顧客の管理やフォローによるファン化の必要性は高まってきますので、今後には期待できます。

 山本 サブスクリプションの導入が増えていますので、必然的にCRMのニーズは増えていくのではないでしょうか。

 加藤 当社が始めているCRMですが、このコロナ禍で購入してくれる顧客は非常に重要なため、あえて「売らないCRM」を提唱しています。購入してくれた顧客に対して、次の購入を促すような施策ではなく、あえて売らずにコミュニケーションだけを取り関係性を深めていくという考え方です。

(写真:加藤公一レオ氏)

(つづく)

【文:藤田 勇一】

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