WNGプレミアムセミナーセッション4開催 唐木氏、「紅麹問題を出発点にする」
㈱ウェルネスニュースグループ(WNG、東京都港区)はきのう26日、プレミアムセミナー「機能性表示食品『紅麹サプリ』が残した大きな課題~そしてこれから」をオンラインで開催した。
合計4回にわたるセミナーで、今回はその最終回。セッション4「未来への展望と新情報」と題して開催した今回、まず初めにWNG担当記者が、小林製薬とのこれまでのやり取りの他、今回の小林製薬の「紅麹サプリメント」を巡る問題による影響、平成31に厚生労働省が出した課長通知「医薬品の範囲に関する基準に関するQ&Aについて」および、それを受けて消費者庁が改正した「機能性表示食品に関する質疑応答集」問13をめぐる問題を考察した。
またWNGでは今回、「紅麹サプリメント」を巡る問題の影響について、最終商品を販売する事業者約70社に対して緊急アンケートを実施、その結果の一部を紹介した。
特別講師として、東京大学名誉教授で食の信頼向上をめざす会代表の唐木英明氏が、「紅麹問題を出発点にする」と題して講演した。
今回の紅麹問題の経緯と問題点について唐木氏は、①原因は製造工程の失敗であり制度問題ではない、②担当大臣の機能性表示食品の点検指示から制度問題という誤解が広がった、③メディアは反安倍意識からアベノミクスの規制緩和の欠陥と報道して誤解が定着した、④小林製薬の回収遅れとリスコミの失敗が問題を拡大させた、⑤業界団体はサプリを守る司令塔機能を放棄した、⑥国の対応は機能性表示食品とトクホに限定、いわゆる健康食品問題とサプリ法と安全文化は放置している、⑦消費者のサプリに対する不安が拡大し売り上げは下落した、⑧サプリ制度全体を見直すことで信頼回復を図ることが必要と指摘した。
また、今回の問題を受け唐木氏は、政府と業界への提言として「国は『それぞれの食生活の状況に応じた適切な選択』と言いながら、消費者が知りたい『適切な選択』の方法もサプリの社会的意義も説明していない。サプリはセルフメディケーションの重要なツールであり国民の健康維持に必須の存在であることを明らかにすべき。企業は個々のサプリの効果は宣伝するが、業界団体は国民の健康維持の役割も適切な選択も説明せず、総論不在の各論になっている。社会的意義を明確にすることからサプリ制度の議論が始まる」と話した。
同連続セミナーは、10月末までYouTube「ウェルネスデイリーニュース」チャンネルで見逃し配信を行っている。アーカイブ動画視聴をご希望の方について、下記から申し込みを受け付ける。
●WNG会員の方はこちらから
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お問い合わせ先:㈱ウェルネスニュースグループ(TEL:03-6205-8181、E-mail:info@wellness-news.co.jp)
(冒頭の写真:講演した唐木英明氏)
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