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WNG、紅麹サプリ事件を総括 事件の経緯と法的枠組みについて解説

 ㈱ウェルネスニュースグループ(WNG、東京都港区)はきのう8日、プレミアムセミナー「機能性表示食品『紅麹サプリ』が残した大きな課題~そしてこれから」をオンラインで開催した。

 計4回にわたるセミナーで、今回はその1回目。セッション1「事件の経緯と法的枠組み」と題して開催した今回、まず初めにWNG担当記者が事件の経緯と機能性表示食品制度の法的枠組み、9月1日施行予定の制度改正の概要について説明した。

 事件のこれまでの経緯について、2016年5月の小林製薬㈱がグンゼ㈱から紅麹原料の製造・販売事業譲渡、BtoBで原材料の販売開始から、先月26日のプベルル酸が検出された原材料ロットを使用した製品が他にも存在していたとされる小林製薬の厚労省への報告不備発表まで、時系列でまとめている。

 特別講師として、東京大学名誉教授で食の信頼向上をめざす会代表の唐木英明氏を迎えた。唐木氏は、「サプリとして使用できる成分とできない成分について、46通知の付表である『専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト』と『医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト』を参考にするだけ。モナコリンKのようにそこに記載がない成分はどうすべきなのか。医薬品ではなくサプリとして使用できる(できない)成分を明確に規定すべき。そうしない限り、米国で医薬品として使用している成分を機能性表示食品と使用するのはおかしいという不毛な議論になってしまう」と指摘した。

機能性表示食品制度は単なる届け出ではない

 唐木氏は、今回の原因が機能性表示食品制度の欠陥にあるという声に対して、「今回の原因は、あくまでも製造過程における失敗によるもの。機能性表示食品制度は、少なくとも1報の論文による効果について安全性を証明、論文は査読による検証を受けている、また、届出資料は全て公開されている。そのため機能性表示食品に対する社会の批判を受けることも多く、販売中止になることも多い。つまり、論文評価と社会による評価により安全性が保たれており、単なる届け出ではない」と話した。

 また、健康食品を巡る最大の問題の1つとして唐木氏は、食品衛生法と食品表示法のすき間に落ちてしまったいわゆる健康食品問題があると指摘。「新規成分、製造管理、被害報告など、いわゆる健康食品にこそ問題があり、多くの健康被害が発生しているが、この部分が未解決となっている。現状では食品全体を厳しくせざるを得ず現実的ではない。いわゆる健康食品を食品から括り出し厳しくするためには、やはりサプリ法のような法律が必要」と話した。

 次回のセッションは26日午後2時から開催する。テーマは「行政と事業者の対応:挑戦と進展」について。今回同様、WNG記者による報告と解説、唐木氏による講演を行う。

 小林製薬はきのう決算説明会を開催し、小林章浩社長が辞任した。政府は「紅麹サプリ」事件を受けて機能性表示食品の新たな制度を9月1日でスタートさせるべく準備を急いでる。小林問題はまだまだこの先も続く。
 
 連続セミナーは、10月末までYouTube「ウェルネスデイリーニュース」チャンネルで見逃し配信を行っている。アーカイブ動画視聴をご希望の方について、下記から申し込みを受け付けている。

●WNG会員の方はこちらから

●一般の方はこちらから

お問い合わせ先:㈱ウェルネスニュースグループ(TEL:03-6205-8181、E-mail:info@wellness-news.co.jp

(冒頭の写真:講演した唐木英明氏(右)とWNG石川記者)

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