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NHKが報道、国立栄研の安全性情報DB 9日午後のニュースで閉鎖を問題視

 NHKは9日午後のニュースで、国立健康・栄養研究所(国立栄研)が運営している「健康食品の安全性・有効性情報データベース」(HFNet)に関する報道を行った。

 その中で、安全性や有効性に関する情報を提供するための国立栄研のデータベースについて、「外部の資料が不適切に引用されていたとし、1年以上にわたって安全性についての情報が公開できなくなっていることが分かった」と報じた。

 ニュースでは、このような状況が続いていることについて島根大学医学部附属病院の大野智副病院長がNHKの取材に対して、「安全性の情報だけが掲載されていない。有効性の情報しか載っていないということになると、想定外の方向に健康食品が利用されかねない。制度として安全性の面では不十分だったのではないか」とコメントしている。

 ウェルネスデイリーニュースでは昨年から、同サイトの閉鎖をめぐる一連の情報を繰り返し報じてきた。過去に報じた記事では、閉鎖の理由、その後の経緯、消費者庁の関与のあり方などについて詳細に紹介している。

 ニュースにある「外部の資料」というのはナチュラルメディシン・データベース(NMDB)のこと。著作権のあり方をめぐり、NMDBの版元である(一社)日本健康食品・サプリメント情報センター(jahfic)と国立栄研との間で調停がうまく進まず、データベースHFNetの閉鎖を余儀なくされた。
 実は、このことが機能性表示食品の届出における医薬品との相互作用の確認などにも支障を来し、届出事業者の作業に困難をもたらしている。このような混乱した事態について、消費者庁も「事業者固有の問題なので当庁は関与しない」と突き放した格好だ。

 過去には、「機能性表示食品を巡る検討会」における構成員の発言や日本ビデオニュース「あなたはそのサプリの中身を知っていますか」1208回マル激 (part1・43分過ぎ)において、貴重な情報源としてNMDBの活用が話題として取り上げられたことがあるが、これらの関連性(混乱)について詳しい説明が行われたことはない。そのことが原因で、jahficに使用を制限されているにもかかわらず、いまだに国立栄研の安全性情報を届出資料として消費者庁のデータベースに残したままの事業者も少なくないのである。

 国立栄研についてNHKは、「現在は仮サイトとして有効性の情報などを公開していて研究所では『利用者に不便をかけているが、科学的根拠に基づく正確な情報を発信する必要があり、対応に時間がかかっている』としている」と報じている。
 しかしこれは、編集部が2月19日に国立栄研に対して行った質問に対して同所が「現時点では素材情報データベースの安全性情報を再開する予定はない」と3月1日付で回答した内容と矛盾する。編集部はきのう10日、改めて国立栄研にこれからの運営の有無について確認を行っている。

【田代 宏】

関連記事:機能性表示、届出の差し戻しに困惑 国立栄研のデータベースが使用不可に?

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