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GNGが紅麹サプリ事件に言及! 食薬リストに未掲載の医薬品成分の届出を問題視

  ㈱グローバルニュートリショングループ(GNG、東京都豊島区、武田猛社長)はきのう18日に配信したメールマガジンで、紅麹サプリメント事件を話題に取り上げた。
 機能性表示食品を巡る検討会などを経て、政府が「サプリメント最終製品製造についてGMP遵守」、「健康被害の情報の収集と提供の遵守」などの方針を示したことを評価した上で、先日放送されたNHKスペシャルでも紹介されなかった問題について言及した。

 海外のサプリメント事情に詳しい武田猛氏はこのメルマガで、「モナコリンK」という医薬品成分が「ポリケチド」という名称で機能性表示食品の機能性関与成分として届出されたことを問題視。我が国の食薬「区分リスト」に未掲載の医薬品成分が別の物質名で届出されたことに根本の問題があるのではないかとの疑義を述べている。そして、海外における食品原料の取り扱いと日本における取り扱い方を比較し、その違いを指摘している。
 さらに、紅麹サプリ事件の教訓を生かして、機能性表示食品のみならず全ての食品に対して「ノベルフード制度」、「ポジティブリスト制度」が導入されることを強く望むと結んでいる。

 同氏の了承を得て、以下にメルマガのほぼ全文を紹介する。

 「海外の食品原料はポジティブリスト、ネガティブリストで規制されることが一般的です。そして、リストに載っていない成分を食品として使用する場合は「新規食品(Novel Foods)」に該当し、市販前に申請し、国による審査、許可が必要になります(米国にはNovel Foods制度はありませんが、GRAS、NDIという制度があります)。

 日本には、食品のポジティブリストもネガティブリストもありません。それに近いものに、昭和46年の厚生省薬務局長通知「無承認無許可医薬品の指導取締役について」(通称「46通知」)に添付されていた「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」と「医薬品的効能効果を標榜しない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」(両方合わせて、通称「食薬区分リスト」)があります。
 しかし、このリストは医薬品かどうかを判定するためのリストであり、食品としての安全性を評価したものではありません。つまり、食品のポジティブリストでもネガティブリストでもありません。

 医薬品の法律で食品を規制するという、海外では見られない珍しい構造です。そして、どちらのリストにも掲載されていない原材料はどう扱われるか、これも重要です。「46通知」には「(どちらにも収載されていない成分本質(原材料)を含む製品を販売する事業者は)厚生労働省に判断を求めることができる」と書かれています。
 現状は、事業者の判断、責任で販売されています。

 また、厚生労働省の「医薬品の範囲に関する基準」に関するQ&Aについて(平成31年3月15日)には、医薬品成分を元から含有する生鮮食品は、その成分を含むからと言って直ちに医薬品とは判断しない、その加工食品も、その成分を抽出・濃縮・純化を目的としていなければ、直ちに医薬品とは判断しない、という内容が示されています。
 食薬区分リストの「専ら医薬品」リストには、モナコリンKもロバスタチンも掲載されていません。
しかし、「46通知」の「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いについて」に、「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」の考え方として、「専ら医薬品として使用実態のある物」と示されています。
 つまり、モナコリンK(ロバスタチン)は「専ら医薬品リスト」に収載されるべき成分となります(なぜ収載されていないのかはわかりません)。
 ただし、先のQ&Aによれば、伝統的な製造方法であれば直ちに医薬品とは判定されません。つまり、伝統的な製造方法で作られた「紅麹」は、直ちに医薬品とは判断されないということです。

 では、「モナコリンK」を抽出・濃縮・純化を目的とした場合はどうなるのでしょうか? 伝統的に使用されてきた紅麹菌とは異なる菌株が使用された場合はどうなるのでしょうか?
 ハッキリしません。そして、なぜ「モナコリンK」ではなく「ポリケチド」という機能性関与成分名となり届出が出来たのでしょうか?
 原因究明の最中ではありますが、届出のプロセスも明確にされるべきだと思います。機能性表示食品届出の現場では、「何故、あの商品が届出できたのか?」と思う届出が時々あります。透明性の高い機能性表示食品制度ですが、届出プロセスについては透明性が高いとは思えない時があります。透明性の低い、歪んだ届出は制度の健全化を妨げます。これは現場で強く感じていることです。

 多くの被害者を出してしまった今回の事件の根本は、食薬区分リストに未掲載の医薬品成分が別の物質名で届出されたことにもあるのではないか、と思っています。
 この機会に、機能性表示食品のみならず全ての食品に対して『ノベルフード制度』、『ポジティブリスト制度』が導入されることが強く望まれます。それが、再発防止策になりますし、日本企業の海外での競争力強化にもなります。そして何より、国民の安全を守るという重要なことになります。国が重い腰を上げてくれることに期待をしています。 武田 猛」

以上

【ウェルネスデイリーニュース編集部】

(冒頭の画像:小林製薬HPより転載)

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