EC版食品表示ガイドでパブコメ募集
消費者庁、6月中の作成目指す
消費者庁はきょう(27日)から、「インターネット販売における食品表示の情報提供に関するガイドブック(案)」に関するパブリックコメントを開始する。食品表示企画課の谷口正範課長はきのう開いた記者会見で、ガイドブック作成に至った背景と経緯、その目的について説明した。
食品表示情報、ECサイトは対象外
新型コロナの影響もあり、インターネットを介した電子商取引(Eコマース)による食品提供は大幅に増加している。一方、食品表示基準で定める表示情報は現在、食品の容器包装上に限っておりECサイトの掲載は対象外とされている。ECサイト上の食品表示に関してはコーデックス委員会でも議論中で、定まったルールがないというのが現状。
こういった背景を踏まえ、消費者庁は2021年度~22年度にかけて調査を行い、有識者による検討会を経て、同ガイドブックの作成案をまとめた。
ガイドブックの対象事業者は、ECサイトの運営事業者、ネットモールなどに出店する事業者、ネットスーパー自体を運営者、メーカーの直販サイト運営事業者などを想定。「情報提供の仕方、工夫の仕方について、参考ツールとして活用してもらいたい」(消費者庁)としている。
ECサイトでは提供が困難とされる「期限情報(消費・賞味期限))、「産地情報」、またECサイトでは分かりにくいとされる「保存方法」、「寸法(商品サイズ)情報」などの提供方法などを示している。
例えば、期限情報については、ECサイトで注文した場合、発注から配送までのタイムラグが生じる。複数の製造ロットがあるなどとし、消費者がサイトで見たときの情報と実際に手にした時の情報が異なってくる場合がある。
日付をそのまま載せるというのが難しければ、期限の残りを減算表示というかたちで、その到着日から何日までと、例えば「3日以上日持ちします」という表示の仕方もあるとし、そのような情報提供の具体的な工夫例も示している。
パブリックコメントは5月26日まで募集、ガイドブックは6月中の作成を目指す。
(冒頭の写真: 右端、谷口正範 課長 )