CBN指定薬物化、6月施行 販売・使用禁止、患者は条件付き使用継続可
大麻草に含まれるカンナビノイドの一種、カンナビノール(CBN)を、医薬品医療機器等法(薬機法)に基づく指定薬物に指定する省令を厚生労働省が18日、公布した。施行は6月1日。一部の医療用途を除き、CBNを含む製品の製造、輸入、販売、所持、使用などが禁止される。違反した場合の罰則規定もあり、3年以下の拘禁刑、または300万円以下の罰金。業としての場合は5年以下の拘禁刑、または500万円以下の罰金。
流通拡大の中で規制強化
CBNにはリラックスや睡眠などに対する機能があるとされ、2020年前後から、同成分を含むクッキーやグミ、電子タバコなどといったCBN含有製品の流通がインターネットを中心に広がっていた。流通実態がある中で、厚労省は、同成分を指定薬物に指定し、製品の販売や所持などを禁止する重い規制をかけた。事業者や愛用者が大きな影響を受ける。
CBNは、麻薬及び向精神薬取締法で規制対象のテトラヒドロカンナビノール(THC)が酸化、分解されて生成される。幻覚作用があるTHCと比べて精神に及ぼす作用は弱いとされるが、厚労省の専門部会(薬事審議会指定薬物部会)は、これまでに指定された指定薬物と「同等またはそれ以上」(部会長)の精神毒性を有する蓋然性が高く、保健衛生上の危害が発生する恐れがあると判断。指定薬物とするのが妥当だと厚労省に答申していた。
厚労省の医薬局監視指導・麻薬対策課によると、CBN製品を摂取後に生じたと推測される健康被害が国内で少なくとも4件確認されているという。うち1件は、昨年5月に発生。複数の報道によると、大学のレスリング部員がCBNを含むクッキーを摂取した後に2階から飛び降り、大怪我を負った。このクッキーのCBN含有量は明らかにされていないが、カンナビノイド事業者からは「1,000mg」と表示されていたとの情報もあり、高含有製品が一部で出回っていたとみられる。
一方、CBN製品は、一部の難治性てんかんなどの治療目的で利用されている実態もある。このため厚労省は今回、他に代替できる治療法がない難治性の疾患や障害の診断を受けた患者に限り、使用の継続を認める措置を講じた。患者が使用を継続するためには、医療機関で取得した診断書等の書類を同省へ提出し、同省がCBNや関連疾患に知見を持つ専門家に意見を求めた上で、「指定薬物の用途に係る確認書」を交付する。
なお、同省は、施行日までに確認書の交付を受けるには4月17日までに書類を提出するよう求めている。それ以降の提出は交付までに1カ月程度かかる見込みだという。
他方で、確認書を持つ患者向けにCBN製品を販売などする事業者は、「適切な管理や定期報告を行う旨の誓約書」を、営業所所在地を管轄する地方厚生局麻薬取締部に提出しなければならない。半期ごとの在庫報告や、製品ごとの帳簿の作成も求められる。海外から製品を輸入する場合は輸入の都度、厚労省に「輸入指定薬物用途誓約書」を提出する必要もある。
こうした手続きを取らない事業者や消費者に対して厚労省は、「6月1日以降はCBN製品の使用等が禁止されることに鑑み、保有するCBN製品を廃棄してください」、「廃棄にあたっては、廃棄物を盗取されないよう適切な方法をとってください」などと呼び掛けている。
異例ずくめの指定薬物化
CBNを指定薬物に指定する省令の公布までは紆余曲折をたどった……(続きは⇒会員専用記事閲覧ページへ、残り2,541文字)
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