55周年のトウ・キユーピー 【創業・設立周年企業】独自開発の『ヒアロモイスチャー240』が好調
㈱トウ・キユーピーは、キユーピー㈱の長年にわたる研究を基に独自開発した健康食品、スキンケア商品の通販を行っている。2020年からは通販サイト名を「キユーピーウエルネス」にリブランド。「ていねいに、美しく、生きる。」をコンセプトに掲げ、健やかでポジティブな生き方を提唱することで購買層を広げてきた。取材では代表取締役社長の谷川和正氏(=写真)に近年から現在の取り組みを中心に話を聞いた。
長年の研究成果が商品の支持につながった
マヨネーズをはじめとする原料の研究から生まれたヒアルロン酸使用のサプリメントやスキンケア商品、食酢の研究から抽出した酢酸菌をもとに花粉やハウスダストによる不快な症状を軽減する機能性表示食品を販売する同社。その中でも特に近年のヒット商品となっているのが、機能性表示食品の『ヒアロモイスチャー240』だ。2015年に先行商品の『ヒアロモイスチャーbio』をリニューアルして以来、右肩上がりの売上を記録しており、現在では全体の売上をけん引する商品にまで成長している。
「『ヒアロモイスチャー240』は、約40年にも及ぶヒアルロン酸研究から肌に潤いを与える高機能成分を持つ商品です。リピート率も高く、定期購入につながっています。また、外側からも潤いを与えるスキンケア商品として『キユートピア ヒアロワン』、手・首周り用のエイジングケアクリーム『ハンデコルテ』も伸びており、2022年11月期は前年比120%、約50億円の売上となりました。コロナ禍では通販事業全体にフォローの風が吹いたことも要因の一つです。今期は市況環境の変化もあり前年比114%、約7億円の上積みができる見込みとなっています」
(上の写真:独自開発のヒアルロン酸Na240mgを潤い成分とする『ヒアロモイスチャー240』。テレビや新聞のほか、WEBなど積極的なプロモーション展開もあって、売上を伸ばしている)
基幹システムの刷新により、精度高い効果測定が可能に
現在発売している『ディアレ』は酢酸菌の成分により、花粉やホコリ等による鼻の不快感を軽減する機能性表示食品。12月には健康な人の免疫機能の維持に役立つ機能性表示食品としての届けが届出公開された『ディアレプラス』としてリニューアル発売する。
「特に今年は温暖化などの気候変動の影響からか花粉の飛散も非常に多かったようですし、アフターコロナとなって外出の機会も増えたことから、大きく伸びました。これまでも底堅い支持を得ていた商品ですが、来年はさらなる伸びを期待しています」
今後の課題としては、50~60代女性により認知を広げること。また、現在の定期購入の主軸である70代に向けたマーケティングの深堀りも重要だと話す。
「既存顧客の中にもまだまだ新規の潜在顧客がいるという考え方です。顧客理解を深めて、コミュニケーションを強化します。さらに50~60代に向けたWEB訴求は引き続き積極的に行うなど、今後はあらゆる接点を求めていくことが大切だと考えています」
昨年刷新した基幹システムによる精度の高い効果測定なども参考にしながら、「業績を伸ばせる余地は十分にある」と谷川氏。来期以降を見据えた取り組みではコールセンターの強化なども始めている。
(上の写真:12月発売の『ディアレプラス』は、50年以上研究を続けてきた酢酸菌を主成分にした先行商品に、健康な人の免疫機能の維持に役立つ機能性を加えてリニューアルした)
【聞き手・文:堂上昌幸】