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5-ALA 長崎大らが新研究
細胞試験 変異株に対する機能を検証

 5‐アミノレブリン酸(5-ALA)の働きを巡る新たな研究発表があった。細胞試験で、新型コロナウイルス感染症原因ウイルスの各種変異株に対する感染抑制が確認されたという。あくまでも細胞試験で確かめられたもので、人に対する有効性は定かではないが、一部のテレビ局などが研究結果を伝えている。インターネット上で情報が緩やかに広がっている様子。

 発表したのは、5-ALAを国内自社工場で生産するネオファーマジャパン㈱(東京都千代田区、河田聡史社長)と、同成分の抗ウイルス研究を以前から行っている長崎大学(長崎市文教町、河野茂学長)。新型コロナウイルス感染症の原因ウイルスSARS-Cov-2およびその各種変異株(デルタ株など4種)を使い、培養細胞での感染実験を行った結果、5-ALAに濃度依存的な感染抑制効果が確認されたという。

 11日に同社と同大が連名で発表。研究結果をまとめた論文は今月7日、海外の学術誌『Tropical Medicine and Health』に掲載された。

 5-ALAは、サプリメントなどの原材料として利用されるアミノ酸の一種。ミトコンドリアの働きを高める機能があるとされる。昨年2月、同社と同大が、新型コロナウイルスの感染抑制機能を細胞試験で確認したと海外ジャーナルに論文を発表。同大らの発表を一般メディアが伝えたことで、認知度が飛躍的に向上し、サプリメント原材料としての需要も大きく高まった。

新知見歓迎も価格改定に困惑の声

 「細胞試験の結果とはいえ、(今回の)新たな発表をきっかけに、需要がまた増えるかもしれない」と業界関係者は予測。また、同大らは昨年、新型コロナ感染症患者を対象に5-ALAの有効性を検証する特定臨床研究を実施しており、その結果を注目する声も。別の関係者は、「結果次第だが、大きなインパクトをもたらす可能性もある」として、研究結果に期待を寄せる。

 一方で、ネオファーマジャパン製5-ALAの原材料価格改定が、昨年12月以降からアナウンスされており、「新しい研究発表がでるのはいいが、こうも価格を上げられてしまうと(最終商品化が困難になる)」と嘆く業界関係者も。複数の業界関係者によると、安定供給を継続することなどを理由におよそ160%の値上げが伝えられているといい、「逆に、市場形成を難しくしてしまったのではないか」と指摘する声も上がる。

【石川 太郎】

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