健康食品をセルフケアにどう活かすか 【日本医師会】委員会、会長諮問を受けて提言・報告書まとめる
日本医師会(日医、松本吉郎会長)の健康食品安全対策委員会(尾崎治夫委員長)が日医会長諮問を受けて取りまとめた報告書が、日医運営のニュースポータルサイト「日医on-line」に17日までに掲載された。報告書は今年6月19日付。諮問事項は「健康食品を適切にセルフケアに活かすための提言」とされており、同委員会は3項目を提言した。「日本医師会として、健康食品安全対策を通した国民のヘルスリテラシー向上のために何をなすべきかという観点」に立って検討を行ったという。
提言は、(1)健康食品に関して正しく理解し、更に安全かつ適切に使用するためには、児童期からの教育・普及啓発が必要である、(2)医療従事者は、国民に対し適切に指導を行うことができるよう、生涯教育・研修等により健康食品に関する知識の更なる獲得が必要である、(3)患者からの情報収集及び医療従事者からの情報提供のためには、お薬手帳に健康食品に関する記述欄を設ける等、更なる活用のための関係行政、関係団体との連携・協力が必要である──の3点に取りまとめられた。
報告書の終わり(総括)で、尾崎委員長が以下のように記述している。
「健康食品の普及はもはや凄まじいばかりであるが、ただ見守っているばかりではいけない。健康食品はあくまで、生活習慣(食事、運動、睡眠‥)を改善していく際の補助的手段であることを利用者にしっかりと伝えるのを忘れてはならない。効果的な利用を図るためには、医師、薬剤師、管理栄養士などの専門職による助言や関与が重要となる。専門職には、生活習慣の改善を基盤とした健康管理を前提に、健康食品、医薬部外品、及びOTC医薬品を、制度的特徴に応じて整理し、利用者が適切に選択できるように支援する役割が求められる」
日医の健康食品安全対策委員会は、国民生活安全対策委員会を前身とするプロジェクト委員会として2018年に発足したとされる。これまでも日医会長諮問を受けた提言を行っており、少なくとも同年と2020年の2回、報告書を取りまとめていたことが確認できる。
今回の報告書は、「2024年度・2025年度」とされている。2024年12月開催の第1回委員会で会長諮問を受け、今年6月まで6回にわたり議論したという。報告書にある委員名簿には、委員長をはじめ16人の医療従事者など有識者の名が連ねられている。報告書のボリュームは約120ページ。「ヘルスリテラシーの向上に向けた現状と課題」、「行動変容のための有効的な啓発方法」、「薬局・薬剤師から見た現状と課題」など、委員による署名入り寄稿に多くのページが割かれた。
同委員会に対する過去の会長諮問の内容を見ると、2018年は「健康食品安全情報システム事業の運営及び充実」と「国民生活の安全に責任を持つ医師会〜国民のヘルスリテラシーの向上〜」の2つ。2020年は「健康食品安全情報システム事業の運営及び充実」と「医療情報・健康情報との接し方を含めた、いわゆる健康食品や国民生活のあり方」のやはり2つで、2024年・2025年は諮問内容が「健康食品を適切にセルフケアに活かすための提言」の1つに絞られた点と、健康食品を「適切にセルフケアに活かす」という前向きな視点が取り入れられている点で異質といえそうだ。
ここで言う「健康食品」について報告書では、「いわゆる健康食品、サプリメントを『健康食品』として記載する(一部で、サプリメントと表記する)。特に触れない限りは、特定保健用食品等の保健機能食品を含む」と説明している。
【石川太郎】
関連資料:「2024 年度・2025年度 健康食品安全対策委員会 報告書」はこちら(日医on-line)

